4部分:第四章
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オーソドックスなサンドイッチだけではなかった。
「ハンバーグサンドにカツサンド。それにアメリカンクラブサンドね」
「あと野菜サンドもツナサンドもあるわ」
「ツナサンド?ああ、あれね」
マトリョーシカはツナサンドと聞いてすぐに納得した顔になった。
「あの日本のサンドイッチなのね」
「そうよ。あれは確か日本でできたサンドイッチだったわね」
「そうよ」
そのことも知っているマトリョーシカだった。他の国ではツナサンドは日本の料理だと思われていたりするのである。指揮者のカルロス=クライバーも日本でツナサンドばかりを食べていたこともあるのだ。なおクライバーは和食が好きだったことでも知られている。
「それよ。それも入れてるから」
「本当ね。これは確かにツナサンドよ」
マトリョーシカはそのツナサンドを弁当の中に確かめて微笑んだ。
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