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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―消失―
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 仲間となったアマゾネスの小隊を引き連れて、三沢大地は覇王の軍勢の一勢力である、《闇魔界》の軍勢が支配している一角へと突入していた。仲間たちから情報収集を理由に別れた三沢が、どうしてこの地域に来たかというと、もちろん……親友を救うためだった。

 黒崎遊矢。天上院明日香。二人の親友はこの異世界に送られた、という情報をキャッチした三沢は、情報収集と守りを一時タニヤに任せ、この岩の世界に来たのである。もはやレジスタンスしかいない状況ということで、すぐにでも闇魔界の軍勢と戦う心構えできたのだが、予想に反しそこには……何もいなかった。

 闇魔界の軍勢にレジスタンスや囚われている人々、もちろん平和に暮らしている人々も、その世界には何もいなかったのである。三沢たちがアマゾネスの本隊からここに駆けつけるまで、それほど時間は経っていないにもかかわらず、である。つまり、闇魔界の軍勢は「撤退、ないし全滅した」という情報が伝達されるより早く、この異世界から姿を消したことになる……

 それでも三沢は遊矢と明日香のことを探したが、見つけることが出来たのは怯える精霊のみだった。闇魔界の軍勢に対抗することが出来ず、岩に作った隠れ家に息を潜めていた生存者を見つけることが出来たが、その精霊たちの中には遊矢と明日香のことを知っている者はいなかった。

 そして、彼ら生き残った精霊たちは一様に、『闇魔界の軍勢を焼き尽くす魔神とそれを従える男』を見た、と怯えていた。精霊たちが怯えているのは、今まで自分たちを苦しめていた闇魔界の軍勢の方ではなく……その、闇魔界の軍勢を焼き尽くした魔神の方だった。

 その魔神は、闇魔界の軍勢を全滅させるとともに消えていき、それを従えていた男もまた、忽然と姿を消していたとのことだった……その男が遊矢なのかは、情報が少なく判断出来ない。人相が分かるほどに近づいた者は、みな魔神に焼き尽くされているからだ。

 結局、三沢がその異世界で見つけられたものは1つだけで、アマゾネスの本隊へと戻ることに決定した。魔神を従えていた男が、どこに行ったかも分からない以上追跡も出来ず、本隊から離れすぎていては元も子もない。

「遊矢……明日香くん……」

 唯一の手がかりとして手に入れた、この異世界に残っていた【機械戦士】たちを手に、三沢はアマゾネスたちと生存者を引き連れて、岩の異世界から脱出していった。


 ――そして、また別の場所で。覇王軍は更に勢力を拡大させていき、とある世界に本拠地を造り上げ、司令官である《覇王》本人が最前線で指揮を取っていた。自分たちの指導者が最前線で戦っている、という事実から覇王軍の士気は高まり、もはや誰にも止めることは出来なくなっていた。

 各地で抵抗する決闘者たちは敗北し捕らえられてしまい、仲間を救い出そうと
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