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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―消失―
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フェイズは終了したものの、戦闘破壊された訳ではないので、もちろん《ミラクル・フリッパー》は蘇生しない。フィールドにいるモンスターは、エドのBloo−Dのみとなった。

「わ、私のターン……」

 コンボが完成し、先のターンまで盤石だった魔法使いたちのフィールドには、もはや《前線基地》と《王宮のお触れ》にしか残っていなかった。そして《フェンリル》によるロックに特化した黒魔術師のデッキに、Bloo−Dに対する対抗策など用意出来るはずもなく。戦闘補助のカードならば投入しているが、肝心のモンスターであるフェンリルが破壊されてしまっている。

「……私は《前線基地》の効果を発動! 手札から《メタル化寄生生物―ルナタイト》を守備表示で特殊召喚!」

 Bloo−Dによってフィールドの効果は無効にされているが、手札を対象とする《前線基地》や『ユニオン』というルール自体を無効にすることは出来ない。特殊召喚された、銀色の蛇のようなモンスターが守備の態勢をとる。

「さらに装備魔法《ミスト・ボディ》を装備し、ターンエンド……」

 装備モンスターに戦闘破壊耐性を付与する装備魔法、《ミスト・ボディ》が《メタル化寄生生物―ルナタイト》に装備される。その場しのぎの手にすぎないが、それでもBloo−Dに対応して守備を固められるのは、流石は覇王軍の幹部といったところか。

「装備魔法、か……」

「……俺のターン、ドロー!」

 エドが小さく呟いた後、亮が今度こそ《フェンリル》に妨害されずにカードをドローする。

「俺は《プロト・サイバー・ドラゴン》を召喚」

 どこか2人の魔法使いのフィールドにいる、《メタル化寄生生物―ルナタイト》に似た、旧型のサイバー・ドラゴンタイプのモンスターが召喚される。そして、その召喚に反応するかのように、今まで沈黙していた《D−フォーメーション》が大きく点灯した。

「《D−フォーメーション》の効果を発動。Dカウンターが二つ乗ったこのカードを墓地に送ることで、召喚したモンスターと同名モンスターを、デッキか墓地から手札に加える」

 破壊された、ダイヤモンドガイとデビルガイの力がこもった《D−フォーメーション》が自壊していき、二枚のカードがデッキから亮の手札に加えられる。召喚したモンスターと同名モンスターのため、もちろん今召喚された《プロト・サイバー・ドラゴン》が二枚――ではない。

「《プロト・サイバー・ドラゴン》は、フィールドにいる限り《サイバー・ドラゴン》として扱う。よって、俺はデッキから《サイバー・ドラゴン》を二枚、手札に加える」

 ――そして発動される。

「魔法カード《パワー・ボンド》を発動! 三体の《サイバー・ドラゴン》を融合し、《サイバー・エンド・ドラゴン》を融合召喚する!」

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