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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第18話 血縁
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いでください。」
唇を尖らせて唯依が拗ねた声を出す、微妙に非難めいた視線とともに。
「と言ってもなぁ、俺がお前の婿に成る訳でもないしな。」
「―――こう言っては何ですが、忠亮さんは私の婚約者候補何ですよ?」
「そうなのか?」
意外といわんばかりに目を開いた彼に対しイラッと心の青筋を立てる唯依。
摂家入りしたばかりの忠亮には覚えることや、身に着ける事は山ほどあり、また他の武家との調整などで手間取るため、公表は控えろと真壁助六郎には言われている。
さらに本人の性格からも、摂家としての心得が身に着くまでに知れば強く反発することが予想されるため、まだ本人にも知らせるなとも。
故に知らないのは仕方がない―――が、自分の苦労も知らずこんな能天気に言われれば青筋の一つや二つは軽く立っても仕方がない。うん、というかそれくらいの権利はある。
「身分の違うものを武家に入れる際、高位の武家に養子入りさせその後婚姻で入れるというのは有り触れた話です。
それでいて、忠亮さんは血筋的にはその……微妙なものですから波風立てずに篁家の次代を紡ぐにはこの上ない適任ですよ。―――付け加え戦術機開発にも敏腕を振るっていらっしゃる。」
「確かに、候補としては申し分ないな。」
「篁以外にもそういった家は幾つかありますし、大尉も心構えくらいしておかないとお嫁さんにそっぽ向かれますよ。」
「随分と脅してくる―――分かったよ、お前を妻にする心構え程度はしておけ、そういう事だな?」
「い、いえ!あくまで可能性の話で……!」
ちょっと意地悪く言ってみただけの唯依に忠亮がそれを圧倒的に上回る意地の極悪な笑みを浮かべて言い返す―――内容が内容だけに唯依の顔が沸騰し蒸気を吹き出す様に一瞬で赤くなる。
「くくく……!冗談だ。」
「も、もう!知りません!!!」
つい、年ごろの娘その物である拗ねた態度でそっぽを向いてしまう―――けれどもそんな唯依を見つめる忠亮の瞳は深く優しい。
「そうあまり怒らないでくれ。」
その時だった。とても深い情愛を感じさせる言葉……その声色が、先ほどの中庭で言葉を交わした時とは向ける眼差しそのものが変質していることに気が付いた。
「忠亮さん……なにか変りました?」
「何がだ?俺は俺だ――変わらんよ、ずっとな。」
どこか遠くを見るような、もしくは何かを噛みしめるような口調で忠亮が言った。唯衣にはその意味するところは窺い知れない。
……だが、なぜか胸が締め付けられるような切なさを感じたのだった。
「……――」
食後、自室にて資料に目を通す忠亮。その部屋の襖が開き、唯依がお盆に湯気の上る熱いお茶を持ってくる。
「忠亮さん、お疲れ様です
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