コヨミフェイル
014
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ているといったところでしょうかね?」
「まるで僕が怪異をけしかけて少女を襲わせてその怪異を退治することで少女の気を引いてハーレムに引き込んでいるみたいに言うな!」
しかもハーレムって…………そんなつもりないし、脅かされているのは妹なんでけどな。それにシスコンじゃないしな。
あと芝居を売って意中の女性を落とすとか、どんだけ典型的、というか古典的なんだ。
「違うんですか!?」
「そこで何で驚く!」
あのひょうひょうとして本当の気持ちなんて僅かも表面に出さない扇ちゃんが目を剥いていた。演技だろうけれど。
そうだとしてもお前が驚くことなんて初めてなんだから、こんなことで驚くなよ!なんかすごく惜しい気分にさせられるだろ!
「ふん、だが、残念だったな。脅かされているのはか弱い少女じゃなく人間兵器の妹だ」
「ついに妹までハーレムに組み込むつもりなんですね」
「何故そうなる!僕は断じてシスコンじゃないぞ!」
「ふ〜ん、そうなんですか。で、妹さんは何に巻き込まれているんですか?」
「全然信じてないだろ!」
「いえいえ、ちゃんと信じてますよ。『前回は自業自得だとか言って突き放すわりにはかいがいしく最後まで世話を焼いたそうじゃないですか。今回は、それどころか突き放そうともしませんよね』と少し勘繰っているだけですよ」
「やっぱり全然信じてないだろ!」
今回助けるのは火憐が完全に被害者だからだ。忍野の言い草じゃないが、火憐は自ら事件に巻き込まれたのではない。それどころか僕の考えの至らなさが招いたことなのだから、なおさら僕が片付けなければならないのだ。確かに影縫さんが逃がさなければこんな事態は発生し得なかっただろう。だがしかし、やはりこれはちょっとしたきっかけで起きたのであって、影縫さんが逃がさなくとも別のちょっとしたきっかけで同じような事態が引き起こされていたであろうことは想像に難くないのである。
「まあ、初めから『僕はハーレム王になる!!』とか公言しているような阿良々木先輩ですからね。これぐらいのことは些細なことに含まれますかね。それより、妹さんは?」
「怪異に憑かれたんだよ」
言い返す気力を失って投げやりに言った。
「あら、それは大変ですね」
例に漏れず、驚きの色を微塵も見せない声音で言う扇ちゃん。
「ん?これぐらいの騒ぎになっていたら知ってるかと思っていたんだけど」
瑞鳥一家が蒸発したニュースを耳にして独自に調査でもしているかと思っていた。そして、少しそれをあてにしていたりしていた。
しかし、サイクリングしているのだからその望みは薄いことは、始めからわかるようなことである。
「所用で学校が終わってすぐに遠出して、つい先程こちらに戻ってきたのばっかりなんですよ」
「なら知らないのも
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