R.O.M -数字喰い虫- 3/4
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分かり合えないままに喪った林太自身と同じように。
自分と同じような後悔を、今度は見せつける側に立っている。
因果だな――と呟きながら、林太は美咲とメリーのいる部屋の方へ向かった。
「君の話は大体わかった。それじゃ、これから確認しようか。君の犯した罪の形を――覚悟は、どうせ出来ていないだろうけどね」
「……………………」
鍵がかかっていた筈のドアノブを捻ると、あっさりと扉は開いた。
= =
『――ねえねえ!春歌ちゃんっているも一人でいるよね。退屈じゃないの?』
無表情にも見えた彼女からは、何故か寂しさのようなものを感じた。
中学に入学したその頃からそれが気になっていて、その日に私は春歌に声をかけた。
『……わたし、みんなとあんまり話が合わないから。本を読んでたほうが、落ち着く』
本のページに視線を落としたまま、彼女はこっちを見もしなかった。
感じが悪いな、と内心でちょっと思ったけど、それだけで話を止めるほど諦めのいい性格じゃなかった私は、そのまま望まれてもない会話を続行した。
『フーン。まぁいいや!ねえねえ、一緒にご飯食べない?なんか中学になってから派閥みたいなのが生まれてみんな付き合い悪いんだよねー』
『……私なんかと一緒にいたって、美咲ちゃんもつまらないと思うよ』
『詰まらなかったらその時はその時!さあさあお弁当出して!机くっつけて!』
『ちょ、ちょっと……?』
自分の意見を聞いていなかったのか、と戸惑う彼女の顔はちょっとだけ可愛らしくて、くすっと笑った。
『今ちょっと可愛い顔してた!』
『へ……?………へっ!?』
『なぁんだ、最初はネクラなのかと思ってたけど、辛気臭い顔の所為だったんだ!春歌ちゃんもうちょっと笑ったりした方がいいよ!その方がモテるって!』
『も、も、も……わわわ私は別に男子の目とか気にしてないしっ!』
『あははははっ!顔真赤!!おもしろーい!!』
『も、もう!何なのよ急に話しかけて来たと思ったら!!』
怒ったようにぷいっと顔を逸らしたが、その態度はそこかまんざらでもなさそうに見えた。
そのままご飯を食べて、彼女の小難しい話を聞いて、全く分からなかったから気ままに喋って、強引すぎると怒られて――気が付いたら、性格は全然違うのに、一緒にいるのが楽しかった。
『……次のご飯も、一緒に食べて……いい?』
『お?デレ期?デレ期なのかなぁ?』
『か、からかわないで!………だめ?』
『だめも何も、私達もう友達じゃない?なら許可なんて取らなくてもいいじゃん?』
今になって思えばなんと馴れ馴れしくて図々しい女だったのか。
会って喋れば友達なんて、今時そんなことを言う人間が何人いるんだろう。
でも、そ
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