第69話 刀は使う者次第で千変万化
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てたよ」
「話になんないっす。身勝手な行動をとって、挙句の果てには妄想っすか。付き合いきれないっすよ」
銃口を降ろし、また子はその場を去ろうとする。
「また子すわん、どちらへ?」
「例の客人の所っすよ。下手にあちこち嗅ぎ回ってないか確認しないといけないっすからねぇ」
「そうですか、まぁ岡田すわんの事はこの位にしておきましょう。ですが、くれぐれも先言った事をお忘れなきように。その紅桜は我々の計画に絶対に必要な代物なんですからねぇ」
そう言い残し、武市もまたその場を離れて行った。今、この場に居るのは岡田ただ一人だ。
その岡田はただじっと、自身の手に持たれていた紅桜を見ていた。
紅桜から感じ取れる鼓動。その鼓動が岡田には自分を否定しているようにも感じ取れた。
(そんなに俺が嫌いかい? 紅桜、いいや……桜月。そんなに俺じゃなくて紅夜叉に持たれたいかい? そりゃそうだ、何せあの紅夜叉は―――)
何かを確信めいたかの様に岡田は一人クスクスと笑い出していた。その笑い方はとても不気味で何処か狂気じみていた。
そして、その笑いに呼応するかの様に、紅桜の鼓動が部屋の中に響き渡っていた。
つづく
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