第69話 刀は使う者次第で千変万化
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なぁ。頭からガブリンチョされたアルか? マミられたアルかぁ?」
「白夜と桜月は使用者の魂を食らうと言われております! 故に、この二本を有する為には強靭な肉体と同時に魂を持っていなければならないのです! でなければ、忽ちこの二本の刀の餌食になってしまうのです!」
「刀に食い殺される……考えただけでも恐ろしい。下手したら、紅桜なんかよりもよっぽど性質が悪い奴なのかも知れない」
「その通りです! だから、貴殿等の主はその二本を破壊したと思われるのです!」
銀時が白夜を桜月を破壊したのはこれ以上その刀による犠牲者を出さない為に行ったものと思われる。
恐らく、銀時ならばその二本を使いこなせるだろうと新八は思っていたのだが、そんな物騒な代物を腰に提げてては危なくて町を歩けない。第一、それは銀時のポリシーに反する事になる。
銀時は刀を捨てた人間だ。その人間がまた刀を持つ事は恐らくそうそうない。新八にはそう思えた。
「鉄矢さん、もう一つお伺いしたい事があるんです」
「なんでしょうか?!」
「もう一つは、あの紅桜の事です。辻斬りが使っていたあの紅桜は、先に貴方が話していた白夜と桜月の様な意思を持っているようにも見えました。まるで、生き者の様に―――」
思い出すだけでも新八の背筋が震えた。昨晩での戦い、岡田似蔵が用いた紅桜はまるで生き者のように似蔵の体を浸蝕し、成長を遂げていた。
最終的には刀とは形容しがたいおぞましい姿へと変貌を遂げ、銀時を窮地に追いやったのだ。
「分かっている事だけで良いんです。教えてくれませんか?」
「残念だが紅桜の事も私にはさっぱり分からんのです! あれは先代から曰く付きと言われ蔵の中に封じ込めていた物ですから!」
「もしかして、その紅桜こそが……桜月なんじゃ?」
「いや、それはないでしょうな! 確かに桜月には意志があると言いましたが、ですが桜月は使用者を浸蝕すると言う事は聞いた事がありません! 恐らく先代が桜月を目指して作った結果あの様な代物になったのだと思われます!」
つまりは紅桜は桜月の兄弟、もしくは子と言う位置に属するのであろう。使用者の魂を食らい持ち主を食い殺す桜月と、持ち主の体に浸蝕し、成長し続ける紅桜。
どちらも謎が多すぎる代物ではあったが、ただ一つ言える事とすれば、そんな物騒な代物をこれ以上のさばらせておく訳にはいかない……と、言う事であった。
***
「ふぅ……全く、貴方の身勝手さにも困ったものですよ」
雨が降りしきる外の光景を眺めながら、武市は呟いていた。顔には出ていないが、その言動から少々ご立腹なのは伺える……かどうかは結構個人差があるのでこの際追及しない事にする。
そんな武市の叱りを受けているのは昨晩銀時を
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