第69話 刀は使う者次第で千変万化
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方がないのだが。
「新八君……と言ったか?」
「あ、はい……なんでしょうか?」
「この白夜……私に暫くの間、預けてくれないか?」
「え?」
突然、鉄子が口を開いた。どうやら新八が持ってきた白夜に興味を持ったのだろう。別に新八に断る理由などないので快く承諾した。鉄子はそれを確認すると、白夜を持ってそそくさとその場を後にしてしまった。
「おい鉄子ぉ! どうしたんだ?」
「すまない兄者。少し気分が悪いから外させて貰う」
「おい! 一体どうしたと言うんだ? 気分でも悪いのか?」
「いや、思いっきり気分が悪いって言ったじゃないですか!?」
どうやらこの兄貴は相当人の話を聞かない性質らしい。この兄貴と会話するのは心底面倒臭そうだなぁ、新八はそう思えた。
「いやぁ、どうも申し訳ない! 全く家の妹と来たらてんで空気を読まない大馬鹿者でしてなぁ!」
「おめぇの方が百倍空気読めてねぇだろ? 馬鹿アニキ」
「神楽ちゃん抑えて……あの、鉄矢さん、仮に銀さんが白夜と桜月を破壊したとして、それじゃ桜月は何処にあるんですか?」
「うむ……それが皆目見当も付かぬ次第なのです! 私としてもあの白夜がこうして面前に現れただけでも驚きなのですから! しかし、先代がこう申し上げておりました! 白夜と桜月にはそれぞれ意志と呼べる物があると―――」
「意志? 刀に……ですか?」
正直信じられなかった。無機物でもある刀に意志がある。そんな話をされて普通信じられる筈がない。
だが、現に新八は勿論、神楽や此処には居ない銀時も似たような代物を目にした事がある。
異界の技術で作られた『デバイス』がそれに該当したのだ。
「新八ぃ、もしかしてその白夜と桜月って例のスパイスなんじゃね?」
「神楽ちゃん、スパイスじゃなくてデバイスね。でも、仮にそうだとしてもおかしいと思わない?」
「何でアルか?」
「だって、僕たちは勿論だけど、江戸の人達には魔力なんて持ってないんだ。そんな人達が魔力を用いるデバイスなんて使える筈ないよ」
新八の言う通りだった。異界の技術であるデバイスは持ち主の魔力を注入する事で機能する代物だ。だが、江戸の人間にその魔力はない。仮にあったとしても江戸と言う世界では魔力は反発されてしまい全く使い物にならない。
その点を考えるとこの白夜と桜月がデバイスだと言うのはまず有り得ないと予想が出来た。
では、一体何故意志があるのか?
「そもそも、白夜と桜月は二本で一対の刀と言われておりまして、この二本を有する者天下を制するとまで言われた事があるのです!」
「そんな凄い代物だったんですか?」
「ですが、これを物にしようと勇み出た者達が次々とその刀に食い殺されてしまったのです!」
「物騒な話アル
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