第69話 刀は使う者次第で千変万化
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れた頃には既に他界していたのだが、二人の祖父もそれは名の知れた刀匠だったそうだ。
そして、その刀匠が生涯を掛けて打ったとされる至高の刀があったと言うのだ。
「その名も『白夜』そして『桜月』と言い、それこそこの世に二つとない正に名刀中の名刀と言われた刀だったのです!」
「白夜……桜月……でも、それとその刀と一体どんな関係が?」
「この刀……多少刃こぼれこそしているが紛れもなく白夜その物! この真白い刀身こそ白夜の証! しかし、何故その白夜をそんな素性も知れぬ剣士が……」
鉄矢は苦い顔をしながら白夜を眺めていた。何やら重苦しい空気が流れている。
「あのぉ、その白夜と桜月の所在ってのは……分からないんですか?」
「分からないと言うより……この二本の刀は本来存在し得ない刀なのですよ!」
「え? 存在し得ないって……だって、現に目の前にあるじゃないですか?」
「言葉が足りなかったようだな。実は、この白夜と桜月は……かの攘夷戦争終結の際に白夜叉、つまり貴殿等の主が破壊してしまったのだ! 故に、この刀は本来この世に存在し得ない刀なのですよ!」
「銀さんが……壊した……」
さっぱり意味が分からなかった。過去に銀さんが壊した刀だとして、何故それが今此処にあるのか?
そして、何故仮面の剣士はそれを銀時に託すような真似をしたのか?
更に、新八の脳裏にはあの仮面の剣士の顔が脳裏に深く焼き付いていた。あの仮面の剣士の顔を見た途端、新八はわが目を疑う思いに駆られてしまったのだ。
「でもさぁ、銀ちゃんが壊したって事は、その刀は銀ちゃんが使ってたって事アルかぁ?」
「いや、これを使っていたのはその白夜叉では御座らん! 『紅夜叉』と呼ばれる攘夷志士で御座る!」
「紅夜叉? 一体誰なんですか? その紅夜叉ってのは」
「うむ……私も噂程度でしか聞いた事がないのだが、紅夜叉とはかつて坂田銀時等攘夷志士と共に攘夷戦争に参加し、白夜と桜月を振るい数万の天人を蹴散らしたと言われる歴史上類を見ない剣豪だと言われたそうです! その強さは、恐らく白夜叉を凌ぐ程かと―――」
「銀さんを……超える程の!!!」
思わず新八は固唾を呑みこんだ。かつて白夜叉と呼ばれ敵味方からも恐れられたあの坂田銀時を超える存在が居ただなんて。にわかに想像する事すら出来ない。一体どんな人物だったのだろうか。
「きっとアレネ。銀ちゃんを超えるって言う程だからよっぽどの大男アルよ! 山よりもでかいビックフットみたいな奴アルね」
「う〜ん、もしかしたらそうなのかも? 銀さんを超えるって言うんだから多分人間じゃないんだろうね」
二人して変な妄想を練り上げているご様子。本人が居たらさぞかし失礼極まりない事であろう。まぁ、その本人が皆目見当もつかないのだから仕
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