第三章
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った。
「どうしたのだ」
「済まん」
彼等の中の一人が仁科に謝罪する。
「我々にはもう」
「これ以上読むことはできん」
「これ以上。何が書いてあるんだ」
仁科は彼等に問う。しかしやはり彼等はその問いに答えることができなかった。涙のあまり言葉がどうしても出なくなっていたのだ。
「済まん・・・・・・」
「もうこれ以上は」
「・・・・・・わかった」
仁科も彼等の心がわかった。こうなっては自分で読もう。そう決心してむせび泣く彼等からその手紙を受け取った。見れば片仮名と漢字で書かれたその遺書は。事前の状況や事故が起こってからのこと、応急処置、所見、そして回天と同志達への追伸が書かれていた。そこには仁科の名もあった。最後には平仮名と漢字で辞世の句まで書かれていた。
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