第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
七月二十九日:『息吹くもの』
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、以下四人は早々に全滅。今や、嚆矢だけだ。
それだけに、これだけの数が残って居るのはそれだけ剣道部の実力が突出している証明となる。
(四人全て“雖井蛙流”か……)
実際、隙無く“平法”を構える四人を見てそう思う。弛まぬ修練の跡を快く、目映く見ながら。
右手を、前に。正面の剣道部員を誘うように、天に向けた掌で挑発した。
「舐めやがって────!」
「おい?!」
「クソッ、釣られんなよバカが!」
「仕方ない────行くぞ!」
挑発に乗り、突出した正面の剣道部員に引き摺られて四人が波状攻撃に出る。恐らく、こうして集団戦で勝ってきたのだろう。かの新撰組の常勝戦法も、“袋叩き”だったと聞く。
先ず、正面の一人が竹刀を手にしたまま────深く、身を沈み込ませた。右膝を突き、左膝を立てた状態で下段から胴を払う“折敷胴”を。
「一手教えて“一教”」
「な────?!」
繰り出された腕を取り、面を打ち据えながら手首を返して肘、肩を極めた。“正面打チ一教”に竹刀を取り落とし、雌雄は決した。
「二手教えて“二教”」
「く、あっ?!」
直ぐに身を返して背面からの一撃を掴み取り内側へと捻ると、肩に相手の手を当てながら伸ばさせた肘と肩を極めて腰を崩す。最後に面を手刀で打ちながら頭から倒す“正面打チ二教”で、もう一人を。
「三手教えて“三教”」
「ちっ、畜生ォォォ!」
更に右の一人の一撃を躱して、延びきった腕を取る。内側に捻り、肘を折り曲げながら極めて腰を浮かせながら面打ちと投げを。“正面打チ三教”で、三人目を。
「ッ咤ァァァァァ!」
そして、最後に────右膝を立てながら左膝を突き、返しの一太刀を繰り出した四人目を。
「バっ────!」
「────四手教えて“四教”」
跳躍して飛び越えると、回り込んで背面に腕を拉ぎながら“横面打チ四教”で打ち倒す。竹刀を取り上げれば、それで終わり。
「成る程な、ジュゼが嘆く訳だぜ……修行が足りねェな。もう一遍、蹲踞からやり直せ」
竹刀を担ぎ、訓示の如く。自分が義父にそうされたように、横たわる四人に吐き捨てた。
「ハッ────全く、耳が痛いんだぜ! だけどコウ、テメェん所こそ四対一で手も足も出ねぇなんて笑えんだぜ」
「ッ!」
刹那、猛烈な勢いで迫った払いを竹刀で受ける。鍔迫り合いに見詰め合った相手は────槍術部主将を打
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