抉りて殺せ (3)
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「簡単にはいかねえな」
「俺だって負ける気は無い」
「じゃあ、お前に召喚要請だ! 召喚者は留弗夫!」
召喚要請か。こうもあっさり使ってくるとはな。なかなかに心地いい。
さて、要請に応じようとするか。
俺は、指を鳴らして留弗夫を召喚する。生前のままの姿だが、その顔は感情が欠けたように無表情だ。
「留弗夫。自分が殺された時の様子を話してやれ。あと【赤】の使用を許可する」
「俺と霧江は、皆と離れた後自分たちの部屋に戻った。勿論、ちゃんと鍵はかけたぜ。だが、かけたはずの鍵が独りでに開いた。そして、俺たちは首を切り裂かれて死んじまった」
「鍵をかけた、だと!?」
そう。留弗夫たちは鍵をかけていた。それが独りでに開き、目の前に現れた者に殺されたのだ。
おさらいしておくが、部屋を開けられる鍵はマスターキーのみ。そして、その所持者で生存しているのは源次のみ。だが、源次の犯行ではないと【赤】で証言している。
留弗夫を召喚して有利に立つつもりだったんだろうが、残念ながら風向きはこちら側にあるようだ。さあ、どうする? 右代宮 戦人。
「親父に復唱要求。ドアには確実に鍵がかかっていた!」
「【勿論だ。】」
「もう一度復唱要求。親父たちの部屋の鍵を開けてに入って来たのは、戦人、絵羽叔母さん、夏妃叔母さん、楼座叔母さん、朱志香、譲治の兄貴、真里亞、狼銃の内の誰かである!」
「【その中の誰でもない。】
俺たちを殺したのは、魔女ベアトリーチェだ」
戦人の表情が歪む。己の思考に悩み、他の者の証言に頭を抱える。
好きなだけ悩むがいい。たかだか、2、3年で考え出されたこのゲームに囚われてしまえ。
俺の目的は既に完了している。
今、この瞬間にも、ここにいる全員の記憶を虚無に返して去ることも可能だ。俺がそれをしないのは、お前のための慈悲だ。
悩め。そして、解けるものなら解いてみろ。
それが出来たなら約束は守る。お前を帰してやるよ。
右代宮 戦人。
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