抉りて殺せ (3)
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が持っているんだろう?」
「じゃあ、俺が行く。兄貴たちは、先に貴賓室に行っててくれ!」
2人の静止の声を無視し、じい様の部屋の鍵を握り締めながら駆け抜ける。その最中、柱時計の音が鳴った。それが、俺たちを嘲笑ったように聞こえたのは気のせいじゃなかったのかもしれない...。
─金蔵の書斎─
長いこと鳴り続けていた時計の音が止む。世界の終わりまで、あと少しになった。さっきの電話の様子だと、順調に儀式は進んでいるようだ。
真里亞はよく眠っている。このまま寝かせておいた方がいいか。
「狼銃ッ!!」
「しっ。真里亞が起きる」
「お前が持ってる鍵を渡せ。今すぐにだ!」
意外と早く着いたな。もう少し時間が掛かると思っていたんだが、若さって凄いな。というか、静かにしろと言っているのに興奮し過ぎて声を抑えるのを忘れている。
...ほらみろ。真里亞が起きてしまったじゃないか。
「うー...どうしたの、狼さん?」
「どうやら、ベアトリーチェが現れたらしいな」
「いいから早く、鍵を渡せ!」
おーおー。胸ぐらを掴んで...必死だなあ。
「俺も行けば問題無いだろう? 真里亞、留守番出来るか? それとも」
「真里亞も行くー!」
ですよねー。
戦人は「駄目だ」と諭したが、ベアトリーチェが現れたと聞いてしまった真里亞が納得するはずもなく、結局、一緒に貴賓室へと向かうことになった。
まだ眠そうな真里亞を戦人が背負って、俺のペースで駆けて行く。
貴賓室前に辿り着くと、ドアの前で佇む絵羽と譲治の姿が目に入る。どうやら、俺たちが着くのを待っていたらしい。中の様子は分からず、何度声をかけても、何度ドアを叩いても返答は無く、物音もしない。
戦人に急かされるように、マスターキーで鍵を開ける。
「遅かった......」
ガックリと膝を付き、戦人はその場でうなだれた。それと同時に鳴り響く時計の音。
ああ...世界の終わりだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「......で、第6、第7、第8の晩が終了」
最後になるであろう駒を置き、先程からうんうん唸っている戦人を見据える。まあ、ここまで来たらゲーム盤だけでは解き明かせないだろう。
まずは、第一の晩を再構築。
礼拝堂にて、6人の死者。その鍵は真里亞の鞄の底で目覚めを待つ。
「なんだ?」
「第一の晩を再構築させてもらった。なんなら、証言者を召喚してもいい。お前が望むなら協力しよう。勿論、[青]を使用するのも構わない」
「第一の晩......」
第一の晩。鍵が選びし六人を生贄に捧げよ。
礼拝堂の死
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