抉りて殺せ (3)
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手伝うことにした。
しばらく探していると、目の前にやけに古めかしい分厚い本が出てきた。その背表紙には「世界地図帳」と記されている。
「あった...。あったぜ、絵羽叔母さん!」
叔母さんはその地図帳を手に取ると、台湾の項目を開いた。次のページには、台湾についてのこと細かな詳細が綴られている。
ざっと目を通したくらいでは分からないが、叔母さんの口から「やっぱり...」と漏れたのを聞き逃さなかった。
「何か分かったんですか!?」
「戦人くんは、“鮎の川”と言われて何を想像する?」
は? “鮎の川”と言われて想像するもの? 鮎っていったら、淡水魚って感じがするけど...。
そう伝えると、叔母さんはある部分を指差す。
「ほら、ここ。淡水って書いてある」
「淡水河......。でも、川にならどこにでも鮎くらいいるんじゃ...」
「もしかしたら、川って川じゃないのかも」
「はあ?」
川じゃない?
俺には正直、譲治兄貴の言ってる意味が分からなかった。
さっきの鮎みたいに、川で連想出来るものを考えればいいのか? 川と言ったら...水? ...流れる? 流れる水?
駄目だ。全然分からねえ。
何かヒントが書いているんじゃないか、と次のページを捲る。次の瞬間、俺は目を疑った。そこにあったのは《片翼の紋章》が描かれた封筒。真里亞や、親父たちの部屋にあった物と同じやつだ。
なんで、これがこんなところに?
恐る恐る封を切る。中には、1枚のカード。
「魔法陣、か?」
「なんだろう。どんな意味があるのかな」
「聞いてみるしかねえだろ」
こんな物に詳しいのは真里亞くらいだ。もしかしたら、狼銃も詳しいのかもしれない。
妙な胸騒ぎがして、俺は急いで電話をかける。「はい」と返事が聞こえ、すぐにこの魔法陣のことを問い質した。
狼銃は真里亞を起こすこと無く、俺のあやふやな説明だけでそれが何なのか答えた。
「『それは、火星の第3の魔法陣だな。意味は《不和》。ようするに、仲間割れを誘発する魔法陣だ。仕掛けたのは、ベアトリーチェ辺りだろうな。ちゃんと発動している』」
「おいおいおいおい...。じゃあ、今の状況は、この魔法陣のせいだってのか!?」
「『だろうな。そんなことより、他の3人は無事なのか? 碑文の通りだとするなら、あと3人は殺されることになる』」
「っ!? か、確認する!」
嫌な予感がした。
一度電話を切り、朱志香たちがいる貴賓室にかけ直す。コール音が虚しく鳴る。誰も電話を取らない。繋がらねえ!
「絵羽叔母さん! 兄貴! 貴賓室に急ごう!」
「でも、鍵は狼銃
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