第三十五話 月光の下でその九
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二人は仲間達のところに戻った、そのうえでこう彼女達に言った。
「見ての通りね」
「終わったから」
「いや、今回の相手も強かったけれど」
「何とかなったわ」
「ナイスファイトっていうのかね」
薊がその二人ににこりと笑って応えた。
「いい戦いだったよ」
「有り難う、そう言ってくれるのね」
「その一言、凄く嬉しいわよ」
「鮮やかだったよ、本当に」
それこそというのだ。
「菊ちゃんと向日葵ちゃんもさ、いい技だったよ」
「忍術と弓道ね」
菖蒲も言うのだった。
「奥義、そして極意ね」
「ううん、私は極意かっていうとね」
そう言った菖蒲にだ、向日葵は照れ臭そうに笑って述べた。
「ちょっとね」
「違うわね」
「うん、違うわ」
それはというのだ。
「またね」
「けれど応用したわね」
「そうなの、そうしたの」
「成程ね、けれどいい技だったわ」
極意そのものではないにしてもというのだ。
「そしていい勝利だったわ」
「有り難うね」
「お見事でした、とても」
桜も言うのだった。
「やはり戦いは頭ですね」
「ええ、幾ら力があっても」
菫は桜の言葉に応えて話した。
「頭を使わないとね」
「どうにもなりませんね」
「そう、本当にまずは頭よ」
これをどう使うかによるかというのだ。
「よくボクシングのチャンピオンは頭がよくないと務まらないというけれど」
「私達も頭を使ってこそですね」
「生き残れるのよ」
「そういえば皆頭いいわね」
裕香もこう一同に言う。
「工夫して勝ってるよね」
「そういえば皆頭いいな」
薊も裕香の言葉に気付いて述べた。
「あたしはともかくとして」
「薊ちゃんもよ」
「あたしもか」
「ええ、頭いいわよ」
そうだというのだ。
「普通にね」
「だといいけれどな」
「いつも咄嗟の機転で技を使ったり相手の弱点を見抜いたりしてるわよね」
「そういえばそうかな」
「そうした戦い方が出来ることがね」
まさにそれ自体がというのだ。
「頭がいい証拠だと思う話」
「まあな、本当にそうした戦い方をしていないとな」
「生き残れないのね」
「怪人はやっぱり強いよ」
このことはもう言うまでもないことだった、彼等は動植物の力に人間の頭脳と体格を持っている。これで弱い筈がない。
「その怪人に勝つにはな」
「機転や見抜くことね」
「そうしたものがないとな」
とても、というのだ。
「負けるよ、そして負けた時は」
「死ぬ時ね」
「ああ、生きるか死ぬかの勝負だよ」
薊は険しい顔になって裕香に答えた。
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