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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第四十二話 イミテーションの叛逆−紅−
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ラ。紅い目に迷いは認められない。

「マナを浪費し精霊を殺す国と、この世界は共に歩めない。リーゼ・マクシアはエレンピオスがない次元位相へ移す」

 ――つまり、ミラは、断界殻という壁で隔てるだけでは生ぬるいから、異なる時空地平にリーゼ・マクシアを位相転移させると言ったのだ。

黒匣(ジン)なしに生活できるリーゼ・マクシア人だけが、世界で唯一生き延びる可能性を持つ。そのリーゼ・マクシアを生かすため。エレンピオスの犠牲も止む無しだ」
「また選ぶのかよ、精霊が、人間を、勝手に! 同じじゃねえか! 救いたい奴だけ救って都合の悪ぃ世界から逃げ出す。まんま昔のマクスウェルじゃねえかよ」
「私とて守れるならば全てを守る。だがどちらかを選ばねばならぬ時は決断を下す」

 ミラは迷いなく、胸に手を当てて宣言した。

「それが世界に責任を持つ私――マクスウェルの使命だ」

 自分がオトリだと知って、使命のみに腐心してきたミラ。黒匣を排除し続けたのも、リーゼ・マクシアを守るため。
 そう、「リーゼ・マクシア」を守るために、ミラの考えはここまで飛躍してしまった。

「今日まで私たちは黒匣とそれにまつわる者を抹殺してきた。黒匣はほぼリーゼ・マクシアから駆逐された。〈クルスニクの槍〉の製造法はラ・シュガルの新王が破棄していた。黒匣のない元のリーゼ・マクシアを、そのままこの時空から弾き出そう」
「ハッ。結局何も変わんねえってことじゃねえか。俺らがえっちらおっちら働いてようようマトモにやってけるようになったら出てきて、てめえらはオイシイとこ総取りか。精霊のお姫様ってのぁキリギリスより腐った性根してんのか」

 ミラは憐れむように目を伏せた。

「……人は自らの欲望を止められない生き物だ。現に滅びを前にしてなお黒匣は増え続け、使われ続けているじゃないか」

 ミラは傍らに戻ったミュゼを顧みた。

「いいんだな?」
「貴女のよいようになさい。ミラ」

 ミラの手がミュゼの胸を貫いた――貫いたかに見えた。
 抜き出されるミラの手には、シンプルな造りの、だが異様なほど威圧感を持った長剣が握られていた。
 あれが道標の一つ、〈マクスウェルの次元刀〉の本来の姿。

 その次元刀が、新たなマクスウェルの手によって、大きく振り被られる。
 風が生まれる。世精ノ途(ウルスカーラ)のエネルギーが一本の剣に集まっているんだ。

「2000年前の過ちを正そう。今度こそ真実、二つの世界を切り離し、二度と出会うことのないように」
「やめろ! ミラ!!」

 結節点の世精ノ途を起点に次元を裂かれたら終わりだ。リーゼ・マクシアにいるエレンピオス人は今度こそ故国へ帰れなくなる。

 黄金時計を出して走る。間に合うか――!

「行かせ
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