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ソードアート・オンライン 〜Hero of the sorrow〜
力の予感
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「貴方のおかげでキリトさんはあちらの世界へと来れた。キリトさんがいなければ出来ないこともありましたしね」
エギルさんは満面の笑みで笑うと、僕の頭を撫でた。
「馬鹿だな、子供のピンチに何もできない大人がいてたまるか」
笑みで返すと、突然、後ろを向かされる。
「えっ・・・・ムゥ!!!???」
ケーキが顔に突っ込んできた。
口の中に甘みが広がり、皆さんが笑っている。
僕は静かに笑みを浮かべ、傍にあったケーキを持った。
「覚悟はできてるんでしょうね・・・皆さん?」
ユキは、どす黒い笑みを浮かべると、ケーキを持って跳び上がった――――――。
全てが終わった後で。
どうやら疲れて皆眠ってしまったようだった。
僕は一人立ち上り、窓を開けて空を見る。
月明りが周りを照らしている。香さんの顔が見えた。
(・・・綺麗だな)
僕は外に出て、月を見上げた。
・・・なんだ?少しだけ声が聞こえた。
ペガサスの超感覚が、その声を拾った。
キイイイイイイイイイイッ!!!
『ロイ・・・ヤル、ナイツ』
(別世界の力・・・・!)
『助・・・け、て―――――――――――!!」
いる。助けを求めている人が。あの月に――――――あの世界に。
(香さん・・・すみません)
通信機能を起動し、全員の携帯へとメールを送る。
3日で帰ります。みなさん、お体にお気をつけて。
(本郷さん。別世界へと行って来ます)
メールと一緒に通信を送り、スーシールシーカーを起動させる。
「音声認証、航空巡航モード起動!!」
スーシールシーカーが飛び上がり、月の方へと加速していった。
事実、ユキはこの三日後に帰還する事となる。
圧倒的な力を持ち、完全な怪人と化して―――――――――。
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