二十二話:歪みだす歯車
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うとしたって教えてもらえるはずがない。知れるはずがない。人の傷を抉るなら、自分の傷も抉られる覚悟をしないといけない。分かっている……分かってはいるけど…やっぱり怖い。
あなたを失うことが何よりも怖い……。
もう私はあなた無しには生きていけない。勝手に抱いている恋心だけどそれだけ本気。
あなたに拒絶されるなんて覚悟はできないけど……あなたを支えていく覚悟はできる。
何も話してくれなくていい。何もしてくれなくていい。愛してくれなくていいから……。
ただ―――ずっとあなたの傍に居させて。私はどんなあなたでも支えてみせるから。
だから……あなたの本当の笑顔をもう一度見せて。
Sideout黒歌
今日は学校を休むことにした。
……正直言って学校に行く気になんてなれないからな。
俺はまだ自分の選択を決めることが出来ていない。……今までは唐突に選ばされていたからここまで悩まなかったけど、いざ、こうして時間が与えられると悩むな……。
夜も選択の事で頭が一杯で寝ることが出来ない。
……それでも、まだ選ぶことが出来ない。俺はこんなにも優柔不断な性格だったか?
「ルドガー、何かして欲しいことは無いかにゃ」
「黒歌……いや、客に何かをやらせるなんて出来ないさ」
「私はルドガーの家族にゃ」
リドウとの一件以来元気がない俺の為に黒歌は毎日訪ねてきてくれている。
そして今も心の底から俺を心配しているのだと分かる声で俺に声を掛けてくれる黒歌。
それに対して俺は素直に甘えることも、まともに目を見ることも出来ずに適当な理由をつけて断ろうとするがあっさりと言い返されてしまう。
家族……ああ、そう言えばそんなこと言っていたな。そうだ、黒歌は俺の大切な家族だ。
過去を、昔の家族と仲間を取る選択をすれば、今の家族と仲間を失う事になる。
別に審判に関わることで今が壊れると決まったわけじゃない。
でも……審判の残酷さは俺も良く分かっている。
俺が挑む以上は俺に関わる全てを賭けて挑まなければならない。
最悪の場合ではなく、最低でもそれだけのものを捨てなければ願いを叶えられないことを知っている。その残酷さが審判だ。
そこまで考えて話の続きだったことを思い出し、意識を浮上させる。
「そうか……それじゃあ何か頼もうか」
何かやらないといけないことがあったかな……そう言えば、最近は買い物に行っていないな。食材が大分少なくなってきている。あれだけストックしておいたトマトも今は底をついている。今はどこかに出かけて買い物とかを出来る気分じゃないからな……。
それじゃあ、黒歌には食材の買い出しでも頼もうかな。
「食材が少なくなってきているから、買い出しを頼んでもいいか?」
「分かっ
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