第十話 男の娘は実際いる確率は少ない
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「はぁ……………」
小鷹はひとつ、溜息をつく。トボトボと朝の登校中に、いつも通り一人だ。
そんな彼女の足取りはいつもより重い。
「おはよ、小鷹!」
ポンと、小鷹の背が叩かれる。それは、先日のプールの件でちゃんとした友達になった柏崎星奈だった。
どんよりと、小鷹は振り向く。
「ど、どうしたのよ。」
「いんやぁ……おはよう……」
そのまま、トボトボと歩くのを再開する。
「ちょっと、いんやぁじゃなくて!
何かありましたよオーラ全開じゃないの??」
「平気だよ、星奈。ボクはいつも通りの平常運転だよ。」
そのまま、小鷹は電柱に頭をぶつけた。
「っっっ………」
「平常運転なわけないでしょ??え、大丈夫??」
「平気だよ〜。ボクは大丈夫だよ〜」
「頭から血でてるから!少し落ち着きなさい!」
こんな一騒動があったため、2人が仲良く遅刻したのは、言うまでもない事であろう。
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「で?お前どうしたよ?」
結局、放課後には星奈と夜空に捕まり、ようやく解禁になった部室に連れ込まれていた。
「あんまり抱え込まないほうがいいわよ?誰かに相談するとか。」
「星奈………」
小鷹と星奈が見つめ合う。
そこには、つい先日までの険悪な雰囲気など無く、友情が芽生えていた。
「え、なに?お前らってそういう仲?」
この男が茶化しさえしなければだが。
もちろん、空気を読まない男の声は、我らが隣人部部長の三日月夜空だ。
「夜空黙りなさい。」
「英雄王空気読んで。」
「はい、すんません。」
もう一度言うが、この美少女二人に黙らせられたイケメンが、隣人部部長の三日月夜空だ。
「で、話す気になったか?」
「あ…………うん。えっと、笑わないでね?」
「笑わないわよ。いいから早く言いなさい。」
小鷹は、一つ呼吸をして二人に向かい合った。
「最近、誰かに見られてる気がするんだ。」
「はい、撤収〜」
「こら夜空、待ちなさい??」
夜空はアホくさいとでも言うように歩き出す。
彼には珍しい行動だ。まるで、何かに対して苛立っている様子で、舌打ちまでしてる。
「で、小鷹様はストーカー行為をされていると仰りたい訳ですね?」
「う、うん…えっと、なに怒ってるの、英雄王?」
「は、怒ってねえし。別にそのストーカー殺したいとか思ってねえし。」
どうやら、イライラの理由はストーカーの存在らしい。
側から見れば、過保護な父親のようだ。
「で?いつからだ?」
「え?」
「えじゃねえよ。いつからストーキングされてた?」
「あ、えっと、二週間前くらいかな?」
「……………はぁ?」
夜空の声のトー
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