ユナイティング:戦いの先に在る物
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キリトとユージオが剣を何回も交えた。
俺はそれを、昔の俺とダークを見ているかのように思えた。
キリトは必死にユージオを戻そうと声を掛けるも、ユージオの心に届いてはいなかった。
「……っ!」
俺は剣を握りーーーアリスに止められた。
「止めなさい。二人の勝負に水を差すのは」
アリスは冷静に言う。
しかし、俺は見ていられなかった。
ーーーまるで、ユージオが昔の俺に見えて。
ガキィイイーーーン!!
突然、強烈な金属音がなり響き、二人は静止した。
ーーーこれは!?
俺は剣を持ち直し、構える。
キリトとユージオの様子を見て、必要になれば出れるようにだ。
しかし、ユージオが言い放った声が、それを遮った。
「……<リリース・リコレクション>」
ーーーその、式句は!?
俺は考える暇も無く、キリトと近付いていたアリスの所に行くと、俺は二人と同時に胸元まで氷が覆った。
記憶解放術ーーーこれが、ユージオの剣の力、<凍結>。
ーーークソッ!
俺は心の中で舌打ちし、ユージオが天井に消えるのを黙って見ていた。
「クソッ!!どうしてだよユージオ!!」
氷に覆われたキリトが叫ぶ。
「落ち着け、キリト……これは多分、彼奴の意思だ」
先程から氷を壊そうと試みる俺が言う。
「来るな……多分そういう意思だろう」
「……ふざけるな!」
キリトが叫ぶ。
「ユージオだけに背負わせるなんて出来るわけ無いだろう!?」
「同感だ。……だから、とっととぶっ壊す!!」
イメージする。俺の拳は焔を纏う。
イメージする。何物も焦がす深紅の焔を。
イメージする。それは、何物も関与すら出来ない。
「燃えろ……焔!!」
途端、燃え上がり氷が焔を壊す。
更に、近くにいたキリトとアリスの氷や周りの凍結も溶かす。
途端、天井が再び動き出す。
「フッフッフッ……さぁ、お前たち、お仕置きですよぉ?って……」
「よう、チュデルキン」
降りてきたのはチュデルキン。……腐った豚だ。
「なっ!?三十二号が凍結させた筈じゃ!?」
「……生憎、テメェの読みは外れたな、チュデルキンッ!!」
闇が俺を覆う。
「ライト!?お前、それは……ッ!?」
キリトが俺の肩を持つが、俺は手振りで制止させると、前に進む。
「俺はお前みたいな魔導師は嫌いなんだ。……今ここでいん導を渡して殺るぜ、チュデルキンッ!!」
闇、闇、闇。
俺の精神が闇に飲まれる。
<オマエハナニヲノゾム?>
声が聞こえた。
<オマエハナゼケンヲトル?>
決まってる。何かを守るために剣を取る。理由は無い。理由なんて必要ない。
<ナラバトオウ。スベテヲステテデモナニカヲマモルカライテイヨ>
全てを捨てる覚悟は在る。
この一連の原因を作ったのは俺でも在る。
だったら、全てを捨てて
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