第三章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第三章
「けれど俺達はまだいるんだ」
「愛機もある」
今度はポーランドのパイロットが言う。
「それならやってやるさ」
「もう一度ドイツと戦う」
「あんた達に協力させてもらう」
「本気なんだな」
イギリス軍のパイロットの一人が真剣な顔で問うた。
「その言葉。本気だな」
「だからここにいるんだよ」
「冗談で戦場に来る奴はいないだろ」
「そういうことだよ」
「わかってる筈だけれどな」
これが彼等の返答だった。そこまで聞いてだ。
イギリス軍のパイロット達もだ。こう答えた。
「ああ、わかったぜ」
「それならな」
「一緒にドイツの奴等とな」
「戦おうな」
「宜しくな」
他の国のパイロット達もだ。彼等の言葉に応える。こうしてだった。
彼等はイギリス軍と共に戦うことになった。空で戦うのはイギリス軍、そしてドイツ軍だけではなかった。彼等も戦場に出るのだった。
ロンドンでだ。彼等の姿を見てである。ドイツ軍のパイロット達が話す。
「何だ?フランスの奴等かあれは」
「ポーランドの戦闘機もあるな」
「あとはノルウェーにデンマーク」
「オランダにベルギーもあるな」
「俺達が降伏させた国ばかりだな」
彼等もだ。その存在に気付いたのである。
「何だよ、まだ諦めていないのかよ」
「何度やっても無駄だってのにな」
「それでもまだ戦うってのか」
「懲りない奴等だ」
「それならな」
どうするか。彼等は自信に満ちた声で話すのだった。
「また相手をしてやるか」
「ドイツの怖さもう一度教えてやるぜ」
「今度はイギリス共々だ」
「また降伏させてやるか」
こんな話をしてだった。彼等はだ。
フランスやポーランドの戦闘機に向かう。その戦闘機達はだ。
ドイツ軍のそれと比べると遥かに旧式だった。性能は落ちる。
だからこそだ。ドイツ軍のパイロット達もだ。
余裕を以てかかる。だがそれに対して。
フランス軍の部隊がだ。彼等の隊長の話を聞いた。
「いいか、ここはだ」
「はい、ここは」
「どうされますか?」
「一旦退く」
そうするというのだ。
「いいな、一旦だ」
「退く?」
「そうするんですか」
「そうだ、そうする」
また言う隊長だった。
「わかったな」
「あの、敵が来ているのにですか」
「退くのですか?」
「それは何故」
「すぐにわかる」
ここではこう言う隊長だった。
「すぐにな」
「そこまで仰るのなら」
「それじゃあ」
他のパイロット達も頷きだ。そうしてだった。
フランス隊は今は退く。ドイツ軍はその彼等を追う。しかしだった。
すぐにだ。彼等は慌てて反転しだした。それを見てだ。
フランス隊のパイロット達は目をしばたかせてだ。こう隊長に尋
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ