ヴェルーリヤ――石相におけるジェナヴァ――
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死んでいく間、ヴェルーリヤは頭を抱え、群晶の前に蹲ったまま、動かずにいた。
地霊たちはジェナヴァの人間が死に絶えると、満足して深い奈落に帰って行った。
ジェナヴァにおいて信仰されていた享楽の神ギャヴァンはというと、決して冷酷なわけではないが、冷淡な性格の神であり、一つの小さな町が滅びたところでさして興味を示さなかった。ジェナヴァ以外にもギャヴァンを奉じる人々は幾らでもいるからだ。
ジェナヴァの土地からは、あらゆる神が消えた。空には切り落とされたような半月が冴え冴えと光を放ち、以後、夜が明ける事はなかった。
そして、小島の神殿には、門前に折り重なる死体が残された。
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