第一部 学園都市篇
断章 アカシャ年代記《Akashick-record》
??.----・error:『Nyarlathotep』X
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」
「うるさいですの! 人がお情けで寝かせておけば……今ので六回、合計三十分も延長したではありませんの! それと、角度は計算してありますわ」
布団から飛び出しつつのたうち回り、文句を垂れ流しながら何とか痛みを分散する。どう見ても悪いのは此方だが。
後、割とナイスアングルだった事と健康な男子の朝の生理現象を隠す為に。わざと盛大に転がって。
「うぅむ……喧しいのう……無礼討ちにされたいか、汝ら」
「「え?」」
その、布団から聞こえた声。もぞもぞと、先程まで嚆矢が寝ていた布団の中から半身を起こして目を擦る……絶妙に肌蹴た薄い緋の襦袢のみの姿の“悪心影”、否、市媛のあられもない姿だった。
「違、違うよ黒子ちゃん。これはアレ、不純異性交遊とかそんなんじゃなくてむしろ未知とのエンゲージと言うか遊星からのXと言うか!」
慌てて立ち上がり彼女を隠すように立ち、言い訳しようと脳味噌をフル回転させる。これを美偉に告げ口でもされれば、確実に始末書だ。
「本当、あなた方兄妹は仲良すぎですの」
と、黒子は対して何かを思った風でもなく、ただ呆れたように表情を変えただけで。代わりに何かに気付き、少しずつ苛立ったように頬を染めて。
背中に枝垂れかかって来た重さ。市媛の唇が、右耳に吐息を。
「呵呵、あの『あいてむ』とか言う四人娘の時にも説明したじゃろうし……昨日も、そうやって乗りきったじゃろ?」
「あ」
そう言えば、そうだった。この存在は、他者に“当たり前として受け入れられる”のだった。だから、黒子も彼女には不審を抱かない。
それを利用して、昨日魔導書をセラに渡して涙子を寮に送り返した時にも、寮監を騙くらかしたのだった。
「それより、兄上? 妙齢の婦女子に、自らの朝勃ちを見せ付けるのはどうかと思うぞ?」
「あ」
その状態に気付いた時には既に、嚆矢の体は黒子の護身術により宙を舞い────にやにや笑う市媛を尻目に、床に叩きつけられた後だった。
………………
…………
……
「……流石に死ぬかと思ったね。確かに女の子に起こして貰うのは夢だったけどさ、嬉しかったけどもさ。もう少しこう、ムーディーにね」
「自業自得ですし、断じてお断りですの。第一、今何時だと思ってますの? 身支度の時間を大目に見ても、ギリギリですの」
「呵呵、誠に兄上の絶倫ぶりには困ったものじゃて」
「ちょっと黙ってろよテメーは」
首を擦りながら、黒子と共にリビングへ。確かに、時刻は七時半。あと一時間もしないで風紀委員の活動時間である。何でも昨日、美偉に『胸騒ぎがするから』と
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