A's編
第三十二話 裏 後 (クロノ、リィンフォース、グレアム、リーゼロッテ、なのは)
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な相棒を頼もしく思いながらなのははレイジングハートを構える。周囲の武装隊員たちは先ほどの話が聞こえていたのか、邪魔するつもりはないらしい。もっとも、止めようと思っても止められるはずもないので、なのはからしてみれば無用の心配ではあったのだが。
「ディバイン―――」
放つ魔法はなのはが持ちうる魔法の中でも信頼がおける魔法。ただし、JSシステムで強化した今、全力で放てば魔力ダメージだけと言えども過剰だ。そのため、威力はレイジングハートに任せている。
なのはの掛け声に合わせてレイジングハートの先に環状魔法陣が取り巻く。やがて集まる魔力。その魔力の大きさはなのはの現在の身長のやや半分といった程度だろうか。その魔力に込められた威力は魔力ランクSの魔導士が全力を振り絞るよりも多い。もしかしたら、SSでも出せないかもしれない出力だった。
そんな魔力を悠々と扱いながら、なのはは眼前の目標へ向けて引き金を引く。
「―――バスターっ!!」
なのはのキーワードを受けて発射されるディバインバスター。そのなのはの身長の半分ほどであった魔力は、放たれると同時に闇の書の管理人格そのものを呑み込むような大きさとなり、光の奔流として闇の書を飲み込んでしまった。通常であれば魔力ダメージであるため体に異変はないはずである。もっとも、これだけの威力を防御魔法もなしに受けた場合にはリンカーコアに異常が発生してもおかしくはないのだが。
実体にはダメージを与えないはずの砲撃は、闇の書の身体に直撃した直後からダメージを与える。最初は足、次は手と言ったように体の先から少しずつ、桃色の魔力に飲み込まれるように姿を消していく。ほぼ無限とも思われた魔力から発せられた砲撃が終わるころには、そこに残ったものは何もなく、ただ静寂だけが残っていた。
―――だが、変化は次の瞬間に訪れた。
ドカンと空気を震わせる衝撃。それは、まるで何か重いものが落ちたような衝撃。いや、実際に落ちていた。眼下に広がる海上に落ちていたのは大きな繭。そうとしか形容しようがないドーム状の黒い何かだった。なのはの周囲に展開された武装隊たちはそれに気づいて動揺したようにお互いの顔を見合わせていた。
しかも、その繭が存在すると同時に海上にも変化が現れた―――具体的には海面から岩がせり出してきた―――のだから仕方ない。
だが、あまりに大きな変化が表れている一方で、なのははそのようなものには一切目を向けていなかった。なぜなら、なのはにはそんなことよりも優先するべきことがあったからだ。そんな些事よりも優先しなければならないことがあったからだ。
「ショウくんっ!!」
繭が現れるのと同時期にまるで空間から割って出てきたとしか言いようがないような登場の仕方だが、翔太が再び
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