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フリージング 新訳
第11話 Tempest Turn 2
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屋は、俺の物とはあまり変わらないものだった。

明かりは付いていない。もしかしたら出かけているのかもしれない……
そんな事を思いながら部屋を歩いていたら、ベッド……いや、ここは敢えて寝具と言おう。寝具の上に一冊の本を見つけた。

diary。つまりは日記だろう。

読みたい……が、それは人としてどうだろうか?ダメだろう。
だがしかし!恩着せがましいが、俺はサテライザー先輩を一応二回助けた。だったら、1ページくらい……いやいやいや!まて、冷静になれ!それはやっぱりダメだろう!

ガチャ。

いや、でもサテライザー先輩をもっと知りたいのは本当で……て乙女か俺は??

ん、ガチャ?

恐る恐る、振り返る。
突然だが、ラッキースケベが羨ましいと、前世で考えたことがありました。アレって絶対狙ってるよねとか、思いましたよ。
ですが!相手が圧倒的強者であった場合のラッキースケベは、唯の自殺行為だ??

「なっ、あなた、なにして……」
「……弁明をさせてください??」

結局、俺は正座で後ろを向き、先輩は、ブランケットに包まっている。可愛い…

ではなくて??

「えっと…その、この間の返事を聞きに来ました……」

嘘……ではないが、喧嘩売られたこと知ってたら不自然だろう。カモフラージュも兼ねて、気になっていたことを解消する。

「こ、この間のって……?」

忘れられていた。
ショックではあったが、そのあと色々あったし仕方ない。

「俺を、貴方のリミッターにするという話です……」
「…………」

黙り込まれてしまった……
やはり、ダメなのだろうか?いや、ダメなのだろう。
サテライザー先輩は、俺に、厳密に言えば、他人との接触を全力で避けているのだ。恐れているのではない。逃げているのだ。

「どうしても、ダメですか?」

そう聞くと、サテライザー先輩はゆっくりと頷いた。ブランケットで顔は見えないが、きっといつものように力強い目をしているのだろう。

「わかりました……」

残念じゃない訳ではないが、無理強いするのは嫌だ。
立ち上がって、先輩の方を見ないように扉の方へ行く。

「あ、そういえば。」

帰る前に、少し御節介でもしていくとしよう。

「今夜は嵐になるらしいので、外出は控えた方がいいですよ。」

きっと、俺の忠告なんて、この人は無視するだろうけど。

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