暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルアドベンチャーGT〜奇跡と優しさの軌跡〜
第五十話 ナノモンとの邂逅
[5/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
時計のように広がる本来の形の四角錐とその中を走る通路を示す光の道が浮かび上がった。
大輔「皆、ピラミッドに潜入するメンバーを決めようぜ。」
フェイト「うん」
組み分けの結果、大輔、賢、フェイト、すずかの偵察組。
アリシアが戦えないため、残りの子供達が待機組となった。
いかな巨大なピラミッドとはいえ通路は狭く、またエテモンの強大な力の前に共倒れの危険性を考えての戦力分配だ。
監視のガジモンの目を盗み、偵察組はピラミッドのふもとへと忍んでいた。
なるべく音を立てないように心持ちゆっくりとキーを叩きながらすずかが囁く。
すずか「この側面に、ピラミッドへと入る入り口があるはず。今探すから物音を立てないように気をつけて…」
緊張と砂漠の暑さで灼ける子供達の背に、ざくざくと無遠慮に砂を踏む足音が小さく届いた。
とっさにピラミッドにへばりつくように身を隠し、様子を窺う。
思わず息を飲む大輔にブイモンが近寄る。
それを手で制して大輔は鋭く囁いた。
大輔「エテモンだ…」
最悪のエンカウントにチビモンが石壁にぶつかり、音を立てる。
エテモンが、それに気づいてしまった。
エテモン[…そこにいるのはだぁれ?]
勿体振るようにゆっくりと近づくエテモンの気配。
違う、これは、自分の鼓動が速すぎるせいだ。
心臓が激しく胸骨を叩く。
そして近づききったエテモンが、大仰に大輔達の隠れる石壁の陰を覗き込んだ。
エテモン[………気のせいだったかしら]
覗き込んだエテモンの視線の先には、誰も、何もいなかった。
ぽりぽりと頭をかいて、エテモンは来た道を戻ってゆく。






























大輔「ふう…」
エテモンがいなくなったことを確認すると子供達は安堵の溜め息を吐いた。
フェイト「間に合って良かった…」
暗い奥に向かいながらすずかはいつものように淡々と説明をしてくれる。
吸収するものがまるでない石の壁の中では声が恐ろしい程に反響する。
いつもより大分声量を抑えたすずかの声は少し聞きとりづらかった。
すずか「さっきの入口の部分は、見せかけだけの上っ張りのデータなの。通路の部分は中身のデータがあるから、どこでも通り抜けられるわけじゃないから気をつけてね」
しばらく進むと、また隠し出入口があった。
マジックミラーのように、こちら側からのみ隔たれた向こうを確認することが出来る。
足音に息を潜ませると、表通路の奥からガジモンが歩いてきた。
見えるわけはない、そう分かっていても体が強張り、肩に力が入る。
ガジモンはこちらなど見もせずに、雑談を交わしながら通りすぎていった。
フェイト「…行った…先に行こう」
賢「ああ…それにしても凄いな、隠し通
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ