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ジョジョは奇妙な英雄
『悪霊使い』の少年そのA
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? ?千城が屋上に残されてから数分後、そさくさと屋上を後にした。レイナーレが探しに来ることを思えば見つけやすい場所にいた方がいいだろう。大声で『センちゃん』と呼ばれてはかなわないし、黄昏ていたというのを母親から近所のチェザーレ家にでも伝えられたら受験を控えているであろうにチェザーレによってからかわれることは必須だ。父親のジョルジオを慕っていたとはいえども盲目なまでの忠誠は父親のことを忘れないでいてもらえるのを嬉しく思う反面、その盲従振りは恐ろしいと思うことがある。

「よっす、JOJO!」
「なんだ、チェザーレか」
「なんだってなんだよ、JOJO。夢美ちゃんとイチャコラしてたんだろー?知ってるぜ、あんちゃん。ジョセフさんからも聞いたよ、かわいいんだって?」
「お前が気にすることじゃないだろ。受験勉強はどうしたよ」

? 背後から千城の肩を組むのは腐れ縁のチェザーレだった。千城のような特殊な力を持たない反面、チェザーレは波紋や鉄球の技術を使うことができる。そのチェザーレの周りにあるものは全部武器とする戦法は我武者羅でありながらも、次に起こす行動が分からないということで敵対すれば脅威となるだろう。武人のような素質を軽薄なところを持ちながらも秘めるチェザーレの祖父のシーザーのようなタイプにとっては基本的にどんな汚い手でも使うチェザーレは天敵と言えるかもしれない。ジョセフから手解きされたチェザーレのトリックの数々は多いけれども、そのチェザーレの人の良さから普段の学校生活でもチェザーレは明るく人望を集める人物として振舞っていた。
? ?今年、進路を決める年というのに勉強をしている様子が見られず千城に絡んでくるのはどうかと思うが、数少ない学園での友人としてはこれほどに気持ち良い者はいない。

「お前がなんとなーくではあるが、このチェザーレ=悠理・ツェペリは心配だからな。仕方あるまいて」
「心配している相手に心配されるのはどうかと思うけどな」
「けどさぁ、三匹のエロっての?あいつらも大したモンだぜ、執拗に桃源郷を求めようって普通の精神してたら出来ないモンよ」
「やりたかない」

? ?こいつめ、とチェザーレが千城の側頭部をグリグリする。ウィル・A・ツェペリの代からイタリア人であったチェザーレの家はチェザーレの祖父が結婚し、チェザーレの父親が生まれてもなおだった。しかし、チェザーレの父親が日本人女性と結婚した時はホリー夫妻が日本で暮らすようになったことをジョセフがシーザーに愚痴ったとき、それとなくシーザーは息子夫婦に提案して以後はどんな縁の巡り合わせか近所に彼らは住んでいたのだ。よって、幼少時からチェザーレは千城を知っている。当然、チェザーレは千城が海外で出会った初恋の女の子も知っているわけで。

「でもよォ〜〜ッ、その子だけを想うのもいい
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