『悪霊使い』の少年そのA
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けどさ。身近のにも気づいてやれよな?これ、アニキの経験談だ」
「何を言ってるんだ、お前は」
「ったくよォ〜〜ッ、こいつは大した奴だわ。悪い意味でな」
? ?このニブチンがッ!
? ?チェザーレがぺしぺし千城を引っ叩く。祖父の血を継いだのか、千城は恵まれた体格を持っていたがチェザーレほどに背は高くなかった。老いてなお波紋の呼吸をせずともパワフルなシーザー(妻と共に老けたいらしいが、チェザーレを波紋の後継者として育てていた時は別)やその息子に似てチェザーレもまた良い体格を持っている。すでに成長期は終わったが、身長一九五センチもある威圧感溢れる大きさはそれより低い千城と比べてみても大きい。一歳しか変わらないが、いかに千城より大きいかが分かる。
「放っとけ。お前は家で受験勉強してろ」
「五月蝿いな、お前はオレの母ちゃんか。オレだってしてんだよ!それにオレには夢がある!「センちゃん!ここにいた!」
? ?チェザーレがその胸筋を張って自らの輝かしいとする夢を語らんとしたとき、長い黒髪を風で揺らしてレイナーレが走ってきた。そんなに運動神経は悪くなく、むしろレイナーレは良い方だ。レイナーレと同じクラスになったことはないが、木場同様にスタイルがいいことから陰ながら人気があるらしい。
? ?ホリーのようにレイナーレが千城を視界に入れたとき、右手を両手で包み込んで頬を膨らませる。
「どうしたんだよ、いきなり」
「ご覧ください、弟分が黒髪美少女とイチャイチャしております。チェザーレ兄貴、嫉妬が波紋疾走しちゃいそうです。辛いね、これ」
「もう、本当に忘れたの?悪い子ね、本当に。貴方の大好きな子からの手紙が届く日でしょう?」
? ?同年代には見えない妖しい魅力を宿した笑みを浮かべ、千城にレイナーレは告げる。大好きな子、と聞いて千城はハッとしてレイナーレの手首を掴んで走り出す。
「悪い、チェザーレ。また今度だ」
「おいおいおいおい。それはオレのセリフだろ。ーー許せ、千城。また今度だ。って、おまっ!さりげに美少女の手首を掴むとは!流石は色男、違いすぎるぜ!………まぁ、オレも帰るしいいか」
? ?表情がコロコロ変わるチェザーレを一通り眺めた後、千城はチェザーレとレイナーレを連れて走り出す。生徒が談笑しているグループをかきわけ、下駄箱へと向かって一目散。途中、三匹のエロが千城を羨む声がしたが今は気にしているところではない。
? ?校門でこちらに視線を送る者がいたが、全力疾走していたその視線に千城は気づけなかった。
「ハァ………ッ、ハァ………ッ。届いてた……」
「ちょ……、センちゃん早過ぎ……」
「早いとかなんか卑猥」
? ?流石は波紋の継承者、チェザーレは息を切らさずに自宅付近にやって来るとゴソゴソとツェペリ家の郵便受
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