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ソードアート・オンライン 〜Hero of the sorrow〜
人形
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送ります」
「そうか・・・すまない」
「あ、それと、オークの部品とかの代金は、こちらが払います」
「・・・それは正直ありがたいが・・・君はお金があるのか?」
「ありますよ、とある異世界の勇者さんからのお年玉が!」
「口座に振り込んどくので。それでは」
通信を切り、アルゴに向き直る。
「何してたんだ?」
「通信です」
そう答えると、改めてアルゴを見た。
「しかしアルゴさん・・・こっちだとずいぶん雰囲気が違いますね」
「そうか?」
「ゲームと比べて髪は少し長いですし」
僕の超感覚が、声を聴いた。
「・・・アルゴさん、すみません。出かけてきます」
「・・・そうか。また誰かが傷ついてるのか」
「・・・はい」
僕は外に出て、スーシールシーカーに跨り、アスナさん達がいる方へと向かった。
病院
病院では争う声が響く。
須郷がナイフを和人に振り下ろそうとした瞬間。
「間に合った!!」
ナイフを右腕で引っ掴んだ雪は、首筋に手刀を落とす。
「・・・!!」
和人が起き上がる。須郷は気絶し、寝そべっている。
「和人さん、行ってください」
和人を病院へと行かせると、背後で気配があった。
「まぁだ・・・終わってないかもよ〜」
トン。軽い音と共に、ユキの腹部にナイフが刺さる。
「っ・・・グ!!」
振り向くと須郷が立っている。
しかし、その眼は正気ではないことが、一目でわかった。
「あな、たは・・・」
黒髪の少女は立ち上がり、こちらを向いた。
「ボクはね・・・Hatred。アシムレイトロイドNo8.Hatred。意味は憎しみ。ハートって呼んでくれると嬉しいな」
「いやぁ、助かったよ〜。気絶させてくれたおかげで、あっさり操れるんだから」
クンッと中指を動かすと、須郷がナイフを振り回し、病院へ突っ込もうとする。
「よせっ!!」
魂共鳴を発動させ、須郷を無理やり押さえつける。
「ねぇ、何で殺さないの?殺しちゃった方が速いじゃない」
「しませんよ・・・」
「なんで?私が覚醒した時から、あなたはそうだった。私達の中で一番強い力を持ちながら、人間を殺せないなんてさ。人間でもないその体で」
「そもそもさ、その力があればショッカーを潰すぐらい簡単でしょ?戦火を広げるのを止めるだけで、迎撃に徹するなんていう消極的な選択。何でしないの?馬鹿なの?そうした方が、逆に人間の被害が少ないとか思わないの?」
「わかりません・・・わかりませんけど・・・『今』はそれが自然だと思っています」
その言葉を聞いたハートは、イラついた口調で言った。
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