マブラヴ
0870話
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力を見たこの世界の者達がBETAに対して奮起をしてくれる事を切に願う。……では、短いがこれで終わらせて貰う」
そこまで告げるとシンと静まりかえる式典会場。だが、やがて並んでいる賓客席の方からパチパチという拍手の音が聞こえてくる。
そちらへと視線を向けると、そこにいたのは日本から派遣されてきた男が1人、俺から目を離さずに拍手をしていた。そして、釣られるように次第に拍手が周囲へと響いていく。
最初に拍手をした男は、どこか柔らかな印象を与える笑みを浮かべつつも俺を見据える。
年齢としては俺と同年代か少し下といったところか。
受けた印象としては、どことなくギアス世界のシュナイゼルに似た雰囲気を感じる。
日本から派遣されてきた人物である以上、それなりの人物ではあるだろうが……なるほど、夕呼以外にも日本にはそれなりに有能な人材は多いということか。
まぁ、このマブラヴ世界での日本は国力的にも上位に位置する国家だ。間抜けばかりではその地位にいる事は不可能だっただろうが。
『これにて式典を終了します。これよりシャドウミラーは鉄原ハイヴへと向かって出撃となります』
オーストラリア政府から派遣されてきた人物の声が式典会場に響き、式典に来た者達に見送られるようにして俺は会場から少し離れた位置――それでも視界内ではある――に存在しているハイヴ攻略部隊へと向かっていく。
そんな中……
「アクセル・アルマー代表。少しよろしいかな?」
式典が終わり、参加していた者達が周囲の者と話している時……不意に後ろから声を掛けられる。
その声の主が誰なのかというのは、容易に想像が出来た。いや、先程の拍手の時からこうなるような気はしていたというべきか。
「ああ、構わん。……日本から派遣されてきた者だったな?」
「ええ。斑鳩崇継といいます」
「斑鳩崇継? その名前は聞き覚えがあるな」
確か、飛鳥計画の機体を夕呼が俺に提供する時に協力した人物の名前だ。五摂家とかいう家の当主……だったか? あるいは次期当主か? まぁ、ともあれ今の日本を代表する人物なのは間違い無い。
「ええ、貴方達が持っていった機体の開発にも関わっていましたよ。正直、最初に香月博士から話を聞いた時にはどうしたものかと思ったのですが……」
「不満があった、と?」
「当然でしょう。試製98式と呼ばれるだろうあの機体は私だけではない、多くの者が力を尽くして作り上げてきた機体だったのですから。……ですが、今ではもう恨み言はありません。いえ、寧ろアクセル代表には感謝すらしています。あの交渉の関係で香月博士という、馬鹿げた格式の問題で名前だけは聞いていましたが、会う事が出来なかった人物と面識を得る事が出来ましたし……何よりもそちらから引き渡されたストライクダガ
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