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美しき異形達
第三十五話 月光の下でその五
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「薊ちゃんの言った通りだったわね」
「向日葵ちゃんやっただろ」
「ええ、あれは」
「弓道の極意さ」
「向日葵ちゃんの技の」
「弓道ってのはさ、弓矢を使うばかりじゃないんだよ」
 薊は確かな笑みで裕香に話した。
「それを極めるとな」
「ああしてなのね」
「気を放つことが出来るんだよ」
「あっ、そういえば」
 薊のその話を聞いてだった、裕香はある物語を思い出した。その物語はというと。
「中島敦の」
「あの小説読んだよな、裕香ちゃんも」
「うん、面白いわよね」
「文章が難しいけれどな」
 中島敦の文章は彼の漢文の素養が影響して漢語調になっている、その為高校生には多少難しい文章と言える。
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