第十話 Reverse-反転
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リアルじゃ殆どこの事件は解決されてるハズなんだよ」
そんなウスラの言葉に、ザサーダとユイツーは互いに顔を見合わせた後、失笑し。
「まぁ、面白い考えだとは思うが。 解決してるならばこんなゲームのサービスを続ける意味が何処にある?
それにゲーム始めに茅場氏が見せたあのニュース映像に対して説明できないだろう」
「ヒヒヒ! それについてもちゃぁんと考えてあるぜ! このゲームを続けてる理由は、ズバリ、観察と実験だ。
茅場がカーディナルから得た情報を、秘密裏に政府に提供してるって可能性だ。 ほら、大昔、ナチスとかで行われた人体実験。
それを電脳世界でやってると思えば辻褄は合うぜ。
あのニュース映像なんてのは、幾らでも偽造できるだろ。 今じゃニコニコ動画で投稿されるMADの方がいい出来だぜ?」
笑いながら口にするウスラに、ザサーダは再び失笑した後。
もうこれ以上反論しても無駄だと考えたのか、寄りかかっていた壁から離れ、ユイツーを連れて自室へと向かう。
しかしその途中、何かを思い出したかのように振り向くと、ウスラに向かって言葉を放つ。
「まあ大丈夫だ、彼、クーレイトはきっとやる。 人は一つ確たる目標を持てば、恐怖と不安は薄れていくハズだ。
それに、クーレイト、この彼の名前からしても、彼はきっとナルシストで、自分を信用しきっている部分が強いんだ。
そういうやつほど、自分の欲望と、目標に対する思いは強い」
「クーレイトって、なんて意味なんだ? 悪いけど俺はまだリアルで高校生一年生だから難しい英単語はわかんねぇんだよ」
ウスラがボリボリと頭をかきながらそう口にすると、ザサーダは笑った後。
「いや、高校生の君でもわかるさ。 彼の名前のクーレイトは、Cooreatと書く。
本人から教えてもらったけど、これは、英語のCoolとGreatを合わせた造語だ。
つまり、『凄くかっこいい』って意味なんだよ」
「あれ、クールって冷たいって意味じゃぁねぇの? 自販機にもクールって書いてあるし」
「……ウスラ。 君には明日あたり勉強を教えてあげよう。 英語の俗語と用途を覚えることから始めようか」
「ええええ!? 俺勉強嫌いなんだけど! 五教科合計200点ナメんな!」
「これは、教師として、ますます教える必要がありそうだな……」
それだけを口にして、ザサーダはユイツーと共に自室へと戻る。
取り残されたウスラは、大きなため息を吐いた後。
酒場に戻ってきたHeavensDoorを見て。
興味津々に、口を開いた。
「なぁ、天国はリアルでやっぱ成績いいの? ザサーダも序列二位のアイツも頭いいみたいだし。
俺一人馬鹿ってのはなんかヤなんだけど」
そんなウスラの言葉に、天国の扉は暫く無言になった後。
「……成績はあまりいい方ではなかっ
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