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【銀桜】4.スタンド温泉篇
第3話「面接の基本はまず挨拶」
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 死霊たちが巣食う温泉旅館『仙望郷』。その事実を知るのは銀時と新八だけ。
 二人で互いにフォローしながら何とかやり過ごしていた。
 だが温泉につかる最中にスタンドを吸ってしまった新八は、額に『呪』と刻んだ閣下と化した。さらに女湯から上がってきた神楽とお妙も同様に髪が逆立ち、目と口がつり上がった閣下となっていた。
――なんてこったァ。全員とり憑かれちまった!!
 呆気にとられる銀時を置いて閣下となった三人は部屋に戻っていく。
「ちょっと待ってくれ!!俺を一人にしないでくれぇ!!オイぃぃ!!」
 暗い廊下に一人だけになって慌てて追いかける。
 だが三人の姿はなく、どこを探しても見当たらない。
「おいおい冗談じゃねーぞ。こんな化け物屋敷一人でいられるかァ!」
 閣下になってしまったとはいえ、元は自分の知ってる新八たち。あの姿には鳥肌が立つが、一人でいるより数倍マシだ。
 銀時は暗い廊下を震える足で歩いて洋式部屋を目指した。
【銀さーん】
 いきなり名前を呼ばれ心臓が跳ね上がる。だがそれは聞き覚えのある男の声だった。
 スタンドの奇襲で意識不明になっていた長谷川だ。安心した銀時は、自分以外の生存者に会うため声がした方の角を曲がる。
「長谷川さん、無事だっ……」

 半透明の長谷川がふわふわ立っていた。

「長谷川さんんんんんんんんんんんんんんんん!?」
【そこにいたの?やっと見つけた】
 変わり果てた長谷川の姿に絶叫し、死に物狂いで銀時は床に頭を何度も叩きつける。
「すんませんすんません!マジすんません!見捨ててすんません!!」
【え?いきなりどーしたの?】
「許してェェェ!!」
 涙をまき散らしながら銀時は全力疾走して逃げる。
 だがスタンドとなった長谷川が空中浮遊して追いかけてきた。
「殺される!呪い殺される!祟りじゃああああああああ!!」
【銀さーん、待ってくれ。なんで逃げんだ?】
「何も聞こえねぇ!何も聞こえねぇ!タリラリラリラ〜〜〜〜〜」
【変なんだよ。身も心も全部軽くなった感じでよ。どうなってんだ?】
「そりゃそうだろ!あんたスタンドになっちまったんだからぁぁぁぁぁ」
【スタンドってなんだよ意味わかんねーよ】
「今すぐ成仏しろォ!デスペラーード南無阿弥陀仏チチンプイプイ悪霊退散ビブデバビデブゥゥゥ!!」
 廊下の角を曲がると、銀時はとっさに目の前の部屋に飛びこんで身を隠した。
 やがて長谷川の声は聞こえなくなった。なんとか逃げきれたようだ。
 恐怖から解放され、銀時の口から何度も荒い深呼吸がもれる。
「フハハハ!我輩がUNOである」
 飛びこんだ先はちょうど女性陣の洋式部屋。閣下と化した新八たちがUNOをしていた。
 だが部屋には自分と同じ銀髪の――双葉の姿がない。銀時はビビ
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