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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第九十四話 主と従者
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ぴりぴりとした空気だけに何も言うことはなかった。
そして、歩みを止めることなくリインフォースは士郎に歩み寄り、背後から士郎を抱きしめた。
大人の女性と子供の身長差故に月に向けていた視線をさらに上に向けるとリインフォースの視線と交差する。
「士郎、我が主。
貴方が胸に秘めた全てを理解しているとは言いません。
ですが、今一度ここに誓います。
私は永久に貴方の傍にいます。
たとえ貴方の進む先が血に塗られた破滅の道であっても、この身が果てるまで」
士郎が口に出さずともリインフォースは、自身の主がこの先の道について思い悩んでいることを理解している。
そして、その道が違えばここにいる仲間達と刃を交えることすらあり得ることも理解している。
それでもただ全てを士郎に捧げると思いを込めて、士郎を抱きしめる腕に力を込める。
士郎も静かにリインフォースの腕に手を重ね
「ありがとう」
感謝の言葉を伝え、視線を月に戻す。
銀髪と赤い瞳を持った主と従者は月を静かに眺め続け、夜は更けていった。
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