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ノイズと謎
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たのだが、今はどこにいるのかすら分からない。

「何だこれ?もしかして、茅場晶彦の野郎が俺のナーヴギアに何かしたのか?」

 ナーヴギア自体の故障、バグの発生、茅場晶彦が特定のプレイヤーに向けて行ったシステムの改竄。もしくは自分のナーヴギアに向けてやられたハッキング。色々な考えが浮かびあがるが、どれが当たってるのかは自分には見当もつかない。考えても仕方ないか、と思ったので、とりあえず転移結晶を使い、村に戻ることにした。

「転移《コーヴァス》」

 《コーヴァス》とは今いる最前線の大きな村である。しばらくしたら転移結晶が割れて、体に青いベールが包むはずなのだが、その気配がまるで無い。おかしいと思い、もう一度使うが今度も何も起こらなかった。

「まさか……結晶が無効化される空間か、ここ?」

 結晶無効化空間が浮かぶがまだわからない。試し今度は回復結晶を使ってみることにした。もったいないかも知れないが、今所持している結晶は、転移結晶と回復結晶しかないため、確かめるにはこれを使うしかないのだ。回復結晶を取り出すと発動条件である言葉を叫ぶ。

「ヒール!!」

 唱えて数秒たったが、何も起こらなかった。どうやらこのダンジョンは、結晶無効化空間と呼ばれる特別な空間らしい。なぜこんなところにいるかは後で考え、とにかくここからの脱出を試みることにした。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 移動していると普通のダンジョンとはいくつか異なるところがあった。まず、壁が所々なくてノイズがかかっている。そして、ノイズのかかってるところ意外は、何拠もかしこも血の様に真っ赤なのだ。こんなところに長くいたら、さすがに気がおかしくなりそうになる。なので早歩きですすんでいると、モンスターとエンカウントした。

「何だよ、このモンスター……」

 エンカウントしたのは何層かは忘れたが森のダンジョンで獣人系のモンスター《ジャック・ビースト》だったような気がする。だがその《ジャック・ビースト》は普通のダンジョンに出てくるのとかなり異なる。壁と同じように所々、ノイズが入り、真っ赤なのだ。おまけに、名前には%やら‐やら混じっている。

 しかし、どこかおかしくてもモンスターはモンスター倒せないわけではないと思い戦いを挑む。ゲツガはほとんどを筋力値に振り分けているため、足が速くない。しかし、壁さえあればそれを蹴ってジャンプし、弾丸が壁を跳ねるような進み方、跳弾のように移動することができる。それを使い、一気に距離を詰めて横一線に両手剣を振るう。

「ふっ!!」

 だがその横一線を《ジャック・ビースト》は手に持っている所々さびが出ている片手直剣を使い、防がれた。

「嘘だろ!?」

 防がれたことに驚く。確かに、三十二層まで来て
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