第1話 黒髪
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「むむぅ〜…」
「な、何だよ、紫」
椅子に座らされているのは少年擬、もとい暁 天明。
その後ろで天明の髪、一束掴み唸るのは八雲 紫。
「貴方、鬱陶しくないのかしら?男の子にしては長いんじゃ…」
「別に〜?結えば邪魔にならないし」
どうやら彼女は天明の髪に不満らしきものを抱いているらしい。
「き、切らないからな…!?」
「あら、切るなんて一言も言ってないわよ?」
………紫さん、顔笑ってません…。
「それにしても、黒髪の人を何人も見てきたけど…貴方のは他のと違うわね」
「そうか〜?寺子屋行けば皆黒髪だけど…」
そうじゃないってば、と彼女は苦笑した。
「………ねぇ、天明?」
何〜?と答えた天明を、紫は後ろから優しく抱き締めた。
「…、ゆか」
思わず首を傾げ問おうとした天明だが、
「天明、ごめんなさい…」
いきなりの謝罪の言葉に声を喉の奥にしまい込んだ。
「ゆか、り?」
「うふっ、なーんてね!!とにかく、この髪大事にね〜」
変なの…、とさらに首をかしげた天明と笑いだした紫。
この2人の物語はこれからだった。
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