『悪霊使い』の少年
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心配させないでよね」
? ?千城が周囲と距離を詰めたがらない理由としては、木場も言う『悪霊』の事がある。視認できず、認められず、形容できない存在を一般人は信用できない上に御上千城は気が触れている、と裏で噂が出回っているほどだ。千城の額を指で弾く木場だったが幼少期から鍛えている千城の肌は硬くて、まるで鋼のようだった。優しい風が吹き、言葉で語らう必要のない二人の間柄は楽だ。
? ?同じ能力を持っていると千城は見たが、未だに千城自身は木場の能力を見たことがない。仕事上の問題で見せられないらしいが、一人でも心を通わせることができれば別に構わないと思った。
「夢美?……あら、こんにちは」
「………」
「あっ、部長。『御上くん』、こちらが私の部活の部長。部長、前に話した彼です」
「あら、そうなの。はじめまして、御上くん。私はリアス・グレモリー。夢美の部活の部長でもあるの。また詳しい話は今度、ね?」
? ?長い赤毛、均整の取れたプロポーションに美貌は人間離れしているように見える。にこやかに笑うリアス・グレモリーだが、どこか父親の上司と姿が重なって見えた。リアス・グレモリーといえば、もう一人の姫島朱乃と人気を二分する一学年上の生徒だ。三匹のエロ達に教えれば食いついてくるであろうが、メールを送るにはまだ早い。「それじゃあ、また明日ね」と手を振る夢美に会釈して二人が去っていくと、千城は『一人』になった。
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