暁 〜小説投稿サイト〜
ひねくれヒーロー
ある人間を判断する
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!青春フルパワーで行くぞ!」


両手を縛りつけられ救いを求めるサイ、次々と体術を繰り出すガイ先生

それを眺めるオレと、ソラ

ガイ先生の拳圧で、ときたま髪や木々の葉が切り裂かれる

基本的に支援を専門とするサイに、体術のエキスパートであるガイ先生の相手は厳しい

しかも術が使えないよう両手を縛られ、その身体能力だけで拳を避けなくてはならない

え?

縛ったのは誰だって?

シナイちゃんですよ


本堂から出ようとした瞬間、キレイに縛られましてね

そのままガイ先生に首根っこ引っ掴まれてこの状況です

・・・拳圧だけで血が見れる体術なんて、滅多に見れないものだ


頑張れサイ


ガイ先生のスピードになれたら、オレと組み手だからな


うちの班の修行風景そのまんまだ

まず身動きの取れない状況に追い込まれ、先生の超スピード体術に強制的に慣らされる

ある程度時間がたてば、班員同士の組み手の開始

ここで先生のスピードに慣れ、班員のスピードが大したことがないと慢心すれば、容赦ない一撃を喰らわされる

スピードがないから大丈夫だと安心しても攻撃される


・・・少しでも、油断すればアウトだ


ガイ先生の事だから、きっと凄い一撃をくれる筈さ

生温かい目でサイを見守る

泣きが入っているがスルーだ


「た、助けなくて良いのか・・・?!」


ソラが何やら哀れみの眼で見ているが、気にせず瞑想の態勢に入る

少しでもチャクラの総量を増やさなければならない

身体エネルギーはこの虚弱体質の影響でろくに作れたものじゃない

なら総量を増やす為には精神エネルギーを強化する必要がある


「まぁ直に終わりますから
 オレは瞑想しますので、彼らを適当に止めてくださっても構いませんよ」 

「・・・お前さぁ、敬語使ったりタメ口になったり・・・統一しろよ」


そう言われても

一応任務の協力者だから、丁寧に接しようと思って敬語だったんだけど

たまに年下だからタメ口出てしまう

これが依頼人だったら減点ものだな


「・・・どちらがお好みで?」

「え・・・た、タメ口とか・・・?」


ふーむ

意外とタメ口で話してたのは好感触だったのかね


「なら友達の様に話すか」

「だ、誰が友達だ!誰が!」


おーおー吠えるねえ

友達いない歴何年だいお前

視界の隅で逃げ惑うサイとそれに容赦ない追い打ちをかけるガイ先生の姿が見える


「そういえば、お前ぐらいの年の奴、寺で見かけないなぁ
 なんで?」

「・・・オレは小さいころに、親を亡くして寺に引き取られたから」

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