暁 〜小説投稿サイト〜
駄目親父としっかり娘の珍道中
第68話 女の子は父親似の男に惹かれるんだってさ
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ないっすかぁ。こんなガキがどうやったら別嬪になるって言うんすかぁ?」
「猪女に何言ったって無駄です。とりあえず船室に寝かせときましょう」
「ってこらぁ! あんたそう言ってその子自分の部屋に連れ込む気っすねぇ! 一応晋介様の大事な客人なんすからダメっすよぉ!」
「失礼な! 私はそんな下種な真似はしません。ただちょっと私のコレクションを着せてみようかなぁって妄想してただけですよ」
「充分下種な考えだろうがこの変態! ド変態! 大変態!」
「こらっ! 貴方がその言葉を使っちゃいけません! ちゃんとその言葉を使うべき人が居るんです!」

 とまぁ、何時までも二人の激しい口論は続くのであり、そんな二人の口論など全く興味を示さず、高杉は空に浮かぶ月を見上げた。

「こんなでっかい月だ。かぐや姫でも降りてくるかと思ったが、まさか……お前が降りてくるとはな。随分縮んじまってたが、あの時と何ら変わっちゃいねぇ。またこうしてお前に会えた事に感謝するぜ……紅夜叉、いや……高町なのは」

 夜の月が照らす甲板の上で、高杉伸介は一人呟くのであった。




     つづく
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