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駄目親父としっかり娘の珍道中
第68話 女の子は父親似の男に惹かれるんだってさ
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「って、そうは言ってますけど、それじゃ武市先輩は分かるんすか?」
「勿論です。私にはちゃんと分かってますよ。つまりあれですよ。私と同じフェミニストに目覚めたって事ですよ」
「それは絶対ありえないっす!」

 男と女の口論が甲板の上で繰り広げられている。どうやら二人は仲間の様だが、余り仲は宜しくないようだ。

「大体ですねぇ、貴方自分の年を考えてみなさい。貴方みたいなおバカちゃんで猪が人の皮被ったような娘を誰が相手するって言うんですか?」
「うっせぇっす! 私は晋介様をお守りするって決めてるんす! 年なんて関係ないっすよ!」
「駄目ですねぇ、言動や行動に一切色気が感じられません。やはりあれですね。年頃の子供らしく感情表現が豊かでないと醜さが顔に出てしまってますよ」
「黙れロリコン」
「なっ、私はロリコンじゃありません! フェミニストです! ただちょっとちっちゃい子が大好きなフェミニストなんです! 断じてロリコンじゃありません断じて!」

 どうやら武市と呼ばれた男は自称フェミニストだそうだが、側から見たら十分ロリコンの分類に入るようだ。そして、それを目の前に居る女性こと木島また子に指摘されて焦っているようだ。

「大体ですねぇ、貴方の名前からして色気が全くないんですよ。木島また子でしたっけ? あれですよ。名前もじったら黄ばんだパンツじゃないですか! おぉ、卑猥卑猥」
「それ言ったら先輩だって十分卑猥じゃないですか! 武市変態」
「それ全然もじってないですよね。完全に当て字ですよね! だから私は変態でもなければロリコンでもないんです。私はフェミニストなんです!」

 次第に口論に熱が入りだした。互いに譲れない物があるようにも見えるが、只単に馬鹿と馬鹿のののしり合いに見えなくもなかったりする。

「お前ら、ギャーギャー騒ぐのは勝手だが、今は大事な客人が寝てるんだ。静かにしろ」
「これは失礼」
「す、すみませんっす」

 高杉に一喝されて黙り込む両者。静かになったのを確認し、晋介は振り返り、抱き抱えていたなのはをそっと二人に渡した。

「大事な客人だ。丁重に扱えよ」
「あのぉ、晋介様。こんなちんちくりん一体どうするつもりなんすか?」
「言った筈だ。大事な客人だとな。くれぐれも粗相のないようにしろよ」
「はぁ……了解っす」

 高杉の答えに半ば不満そうにしていたまた子だったがとりあえず了承する事にした。
 その隣で、武市が鼻息を荒くしているのが見えていた。

「何鼻息荒立ててるんですか先輩? マジきもいんすけど」
「いやですねぇ、この子きっと後5〜6年したらすごい事になりますよ。私の予想ですけど、こりゃかなりの別嬪さんになる事間違いなしですよ」
「本当っすかぁ? どう見てもただのちんちくりんじゃ
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