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横浜事変-the mixing black&white-
朱 宇春はとあるロックバンドに対しても妖艶なペースを保つ
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は今ここで何をやっているの?私の本業は従業員だから、いつでも情報を得ているわけじゃないのよ」

 実際、彼女は数時間前から横浜各地で断続的に起きている不可解な事件――殺し屋の抗争について知らないし、横浜マリンタワーでのヘヴンヴォイス狙撃事件も聞いていない。そのため彼女は、知り合いの敵と会話している事に、強い警戒心と赤島達に対する不安を感じていた。どういった形で彼らはここにいるのか。フランクな口調で情報開示を求めたのだが、少女は彼女の心境をよそにあっさりと教えてくれた。

 「ならこちらも簡潔に教えてやろう。正直なところ、お前に一から説明するだけの時間はないんだ。
私達はこれから母国に帰る予定だ。でもその前に、この街の『頭』に借りを作っておこうと思ってな」

 「……」

 「真相は私達が帰った後にでも知ってくれ。とにかく今はここでライブをしたい。使える楽器と情報拡散。これで人をどっさりここに集めてほしい」

 「ふうん。つまり、その『頭』さんに対して無駄なお世話をするってわけかしらぁ」

 ――『頭』?誰のことかしら?チーム?組織?

 ――局長さん……はないわね。真意は分からないけど、宮条ちゃん達は関係なさそうだし、いっか。

 笑顔の下に相手を計るような目を向けていた宇春だったが、次には心の底からニコリと笑って答えを出した。

 「分かったわ。貴方達の依頼、受けてあげる。私が貴方達の情報をもっと蒐集するっていう条件が料金ね」

 しかし突然「あ」と言葉を漏らし、何でも屋は依頼人達に一つの制限を掛けた。

 「15分間で全部が終わらなかったら、私は貴方達の許可なくここから逃げるから、そのつもりでよろしく」



 「何でも屋としての先客が一人いるんだから、仕方ないわよね?」
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