二十話:俺の願いは……
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―――ガキィィインッ!!
「何とか間に合ったようですね。ルドガー、大丈夫ですか?」
「アーサー!」
「ちっ!」
アーサーの剣がリドウのナイフを受け止める。
リドウは軽く舌打ちをして俺の上から飛び去る。
俺はその隙に素早く時計を回収する。
「アーサー。どうしてここにいるんだ?」
「あなたが散歩に出てから余りにも遅いので、黒歌が心配して仙術で場所を探り当てて来たのです」
「ルドガー! 私達が来たからもう大丈夫にゃ!!」
「ルドガーさん。私も戦います!」
どうやらアーサーだけでなく。
黒歌とルフェイちゃんも来てくれたみたいだ。
……ありがたいな。
「ちっ、相変わらずお友達が多いな。ルドガー君……流石に不利か。今日の所は帰らせてもらうぜ。」
「私達から逃げられるとでも?」
そう言って凄味を出すアーサー。
黒歌もかなり怒った表情だし。
ルフェイちゃんもやる気満々だ。
「それ、逃げられるフラグだぜ?」
そう皮肉気に言い放ち。
赤い文様の載った白金の時計を構えるリドウ。まずい!
「生憎、逃げるのは得意なんでね!」
そう言い放ち、赤と黒の骸殻を纏うリドウ。
手には同じ模様の医療用ナイフを片手に三本ずつ。
背中に生えている変なのがない。これはリドウのクォーター骸殻なのか?
そう思った瞬間に奴は消える様に動き始める。
そして―――
「ルフェイ!?」
「こういう時は一番弱そうな奴を狙うのが定石だろ?」
楽しげに笑いながら。
ルフェイちゃんに斬りかかるリドウ。
くそっ! 普通に行っても間に合わない!! それなら―――
「はああああっ!!」
「相変わらず、ガキを狙われると弱いな。ルドガー君はさ」
俺もクォーター骸殻になって。リドウとルフェイちゃんの間に飛び込む。
そして奴のナイフを槍で受け止める。
くっ! 重いっ!
「だから動揺しているルドガー君じゃあ。俺には勝てないって」
「グアッ!?」
まるですべる様に動いたかと思ったら。
俺の脇腹に強烈な蹴りを繰り出して来る、リドウ。
そのまま吹き飛ばされる、俺。
くうっ…俺は……何を…っ!
「自分の欲望に素直になれよ、ルドガー君。俺達は―――クルスニク一族だぜ」
最後にそれだけ言い残してその場から消えていくリドウ。
「待……て。リドウ…っ!」
「ルドガー。今は傷の手当の方が先にゃ」
俺の身を心配して駆けつけてくる。黒歌。
アーサーも追うのはやめて俺の方に向かってくる。
ルフェイちゃんも申し訳なさそうに俺の方に寄ってくる。
「また……“みんな”と一緒に居られる。……昔に戻れる」
「ルドガー?」
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