二十話:俺の願いは……
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うなってあれ程言っておいたのに。
あのバカザルすっかり忘れてたにゃ。
それでルドガーと戦いになって。そこにアーサーまで加わって。
私とルフェイは置き去りで勝負始めちゃうし。
ルドガーはなんだか良く分からない結界を発生させるし。
何だか訳が分からなかったにゃ。
あのバカザルは結界の中で何があったのかは知らないけど。
目が覚めるなり直ぐに逃げ出すし。
まあ、何だか可哀想だったから見逃してあげたけど。
……ルドガーは逃がす気が無いみたいだけど……。
アーサーもルフェイの手前だから何でもないように装ってるけど。
台所に置いてあるトマトが目に入る度にビクッって体を震わしてるし。
ルドガー……一体何したのにゃ?
それにしても。か、可愛いなんて不意打ちにゃ!
思い出しただけで顔が熱くなるにゃ。
はあ……いつも通りの私を可愛いって言ってくれるから。
いつも通り、悪戯したり。甘えたりしたいんだけど……。
本気で意識しちゃうと。恥ずかしくて出来ないにゃ!
今日なんてルドガーに恋をしていると分かってから初めて会ったから。
どんな顔すればいいのか分からずに。
ルドガーを見つめては溜息をつくのを繰り返しているだけだし。
意を決して話しかけようとしても。
顔を見たら恥ずかしくなって逃げちゃうし…。
私ってこんな乙女みたいな性格だったかにゃ?
それにしてもルドガーのバカ!
折角、女の子が頑張って好きだって言ったのに。
聞き逃すなんて最低にゃ!!
ルドガーのバカ! 私を惚れさせたんだから。
絶対に責任は取ってもらうんだからね!!
……そういえば、散歩に出たルドガーが帰ってくるのが。
やけに遅いような気がするにゃ。
何かあったのかにゃ?
Sideout黒歌
食後の運動に散歩に出た俺。
ふう……最近は何だかんだいって平穏だな。
こんな当たり前の日常がいつまでも続けばいいな…。
それでも……昔がどうしようもなく懐かしいのは。
俺が本当の意味で前に進めていないからだろうな……。
今の俺は生きる意味もなくただ生きてるだけ……かもな。
「っ!」
考え事をしていると。
突然、何かが足もとに飛んでくるのを感じて、間一髪のところで避ける。
これは……医療用ナイフ!?
「随分とギリギリだな。腕が落ちたんじゃないの?」
この声! それにこの人をいらだたせる話し方…っ!
何で…何でお前がこの世界にいるんだ!?
「―――リドウ!?」
「久しぶりだな、ルドガー君。兄貴は元気にしてるか?」
「っ!!」
「あれー? もしかしてルドガー君。兄貴の命で橋を架けるなんて、酷いことしたの?」
こいつ…っ! 俺が兄さんの命
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