二十話:俺の願いは……
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ても無駄にゃ!!」
「あ、ばれたか?」
ダメだったか。俺の可愛いと言うセリフに顔を真っ赤にして。恥ずかしがってくれたが。
結局のところ誤魔化すことは出来なかったみたいだ。
それにしても今日の黒歌は何だかいつもと違うな。
何と言うか……ジッと俺の方を見ていたかと思ったら。溜息を吐いたりするし。
なにかあったのかと聞いても、顔を赤くして首を振るだけだし。
何かを言おうとして。口を開けても、俺の顔を見たら何でもないって言って逃げるし。
そう言えば、今日はこうして面と向かって話すのは、初めてな気がするな。
「もう、嘘言ってお姉さんを誑かそうとしないにゃ!」
まだ、少し顔が赤いままそう言う黒歌。
別に嘘は言ってないんだけどな。
「いや、別に嘘を言ったわけじゃないぞ?」
「だからそうやって――「黒歌は本当に可愛いと思ってるぞ」――にゃううう……」
もう一度可愛いと言うと。顔を伏せて何も言えなくなる黒歌。
この際だから、黒歌の可愛い理由を全部言ってしまおう。
嘘だと思われるのも何だか嫌だしな。
「見た目はもちろんだけど、俺に悪戯して来たり、猫の姿で甘えてきたり。俺の料理を食べて嬉しそうに笑ってくれたり。今だってそうやって顔を赤くしたりして、そういうところが本当に可愛いよ」
「ううう……ずるいにゃ。そんなこと言われたら怒れないにゃ」
恨みがましげに上目づかいで俺を睨んでくる黒歌。
そんな仕草が可愛いんだけどな。
「まあ。俺なんかが言ってもしょうがないか」
「そ、そんなことないにゃ! 凄くうれしいにゃ。ルドガーだから……。
す、好きな人が言ってくれたから……」
「ん? 最後なんて言ったんだ?」
最後の部分が良く聞こえなかったけど。何か言ってたのか?
「な、何でもないにゃ! なんでも!! ………うう…バカ」
少し涙目になりながら、何でもないと言う黒歌。
まあ、何でもないって言ってるから大丈夫だろ。
何か深刻なことを隠しているわけじゃないだろうし。
「あの、お兄様と美候さんが起きました」
そんな事を考えていると、ルフェイちゃんが二人の復活を知らせに来た。
二人共起きたか。さてと……それじゃあ―――。
「美候には料理の残りを食べさせないとな」
「「流石に可哀想だから。やめてあげて(ください)!」」
結局、美候は起きると同時に、逃げる様に帰ってしまったので無理だった。
美候……次に会った時は気をつけるんだな。
因みにアーサーには美候の分まで食べさせたのでお残しは無い。
悪く思うなよ。アーサー。
Side黒歌
今日は大変だったにゃ……。
ルドガーの前でトマトを侮辱するようなことは言
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