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凛とにこちゃん
凛とにこ先輩。

前書き [1]後書き
「にっこにっこにー!」
にこ先輩がやっていたあの寒い芸が、何故か頭から離れない。
「…凛にとって、悪い意味でよっぽど印象的だったんだにゃー…」夜中のベッドの上、凛はボソッと言った。

にこ先輩が加わって、7人になったμ'sで一生懸命練習する日々。
にこ先輩の練習着のピンク色のスカートが揺れているのを凛は見ていた。
自分が着ている物を見て、ふっと溜息をつく。
青緑色のズボン。にこ先輩とは対照的だ。
凛はにこ先輩が普段からおしゃれや「女子道」を突き詰めているのだろうと思った。

(凛にはできないよ…)
幼い頃、スカートを穿いて男の子たちにからかわれた思い出は、簡単には消せなかった。
そして、
にこ先輩のように素直にそういった気持ちを引き出して行動にできることが、少し羨ましくもあった。

ある日、ことり先輩が作ってくれた「これからのsomeday」の衣装をみんなで着てみた。
猫耳のついた衣装は、自分らしいと思え、気に入った。
周りを見ると、遠くでことり先輩と話しているにこ先輩が目にとまった。
頭の真っ赤なリボン。
肩のレース。
ふんわりとしたスカート。
「かわいい…」
思わず口に出したら、
「凛、なにか言った?」
隣のピンク色のベストを着た真姫ちゃんに聞こえてしまった。ここははぐらかさないと…
「えへへ、真姫ちゃん衣装が似合ってて可愛いなって!」
「…はぁ!?なにバカなこと言ってるのよ!」
案の定怒られてしまった。
そこににこ先輩が駆け寄ってきた。
「なにー、かわいいって聞こえたんだけどまさかにこのことー?」
「勘違いだにゃー」
鼓動が早くなる。
ついつい事実と真逆のことを言ってしまった。

次にこ先輩の衣装を見たときはちゃんとかわいいって言ってあげようかな…
そんなことを考える凛だった。
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