1巻
柚希との話し合い
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俺がどこから来たというのは、あとで言うが当時幼馴染だった柚希は分身体である俺によく懐いていた。里の連中も俺の行方を追っていたようだが、さすがにこの容姿と名前では分からず仕舞いだろうな。落ち着いた柚希は改めて名前で呼ばせてもらうと言った後に本題に入ったのだった。ちなみに俺と柚希は、個室なのでカウンターじゃなくてテーブル席だが隣同士で座っている。近い距離だからなのか、俺の方にピッタリと寄せてくるので女の子特有の匂いに素肌の感触があったので五年前より変わったんだなと感じた。
「分身体としての俺とは五年も前らしいが、随分と変わった様子だな」
「一真もね、あの時まさか名前と容姿を変えて来たとは思わなかった。もし名前がそのままだったら抱き着こうとしてたけど、別人のように感じたから」
まあ五年間と姿と名前が違うのだから当たり前かと思ったが、分身体情報からだと五年前よりも綺麗になった事だ。刃更の時は、幼馴染の中でも体は小さく幼い感じのようだったが、今は年齢よりも大人びて見えている。髪型を変えた所為もあるのか、昔の柚希は髪を長くしていた。だが一番変わったところは感情面だ、刃更の時は感情豊かな子だと分身体情報で聞くが、今は感情が見えない雰囲気を持っている。口数は子供の頃から少なかった気がするが、分身体でも知らない時間で彼女を変えたのだろう。
「俺=分身体である刃更の時の事は、ある程度知っているがそんなに嬉しそうな顔でもしてたのか?」
「私が抱き着いたら、ギュッて抱き締め返してくれた。剣の腕は、今でも里の中でも逸脱していた」
「まあそうだろうな、ところで俺の事はいいとして柚希は何か知りたい情報でもあるのだろう?例えば俺の妹である深雪や成瀬澪について」
「深雪さんの事は恐らく里に生まれる前からいたのではと思うから、一真・・・・これ以上、成瀬澪と関わらないで」
「やっぱりお前なのだな、里が決めたアイツの監視役は」
本来ならこんなところにいる方がおかしいからだ、一真の幼馴染として記憶の上書きをしてから、勇者の一族の少女が里を離れてこんなところにいないはずだと。
「準S級監視対象だったか・・・・」
「・・・・知ってたの?」
「俺ら蒼い翼の情報源を舐めてもらわないでほしい、勇者の一族には俺らのスパイが紛れ込んでいるから、そいつから聞いた。あとは迅から聞いた話だ」
「なら話は早い。今すぐ成瀬澪から離れて」
テーブルの上に置いていた俺の手に、柚希の手が重ねられた。そして、そっとこちらへと身を寄せて見つめる。澪は現魔王から追われているから、このままじゃ俺や迅に深雪が巻き込まれると言われたが俺は即座に拒否をした。一方家に帰った深雪達は、俺のところに盗聴器で聞こうとしていたらしいが生憎と個室には盗聴されないような部屋
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