第12話 2人の鬼、再会を果たす
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「ぐぎゃあっ!!」
3人にとって…いや、美琴とカナにとって始めての命のやり取りだった。刃衛を戦闘不可にすることは成功したが2人の体は酷く震えていた。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
「ふぅ、ふぅ、ふぅ…」
無理も無い、刃衛との戦いは気を抜けば殺されるのだ。それでも勝ちを取った3人はやっと安堵の表情になった
「は、はは…な、なんとか…なりましたね、千鶴さん」
「う、うん…」
実は刃衛が飛び掛かる直前に、この作戦を思いついたのは以外にも千鶴だったのだ。
刃衛が飛び掛かる直前・・・
『カナの攻撃がこの作戦の本命ですか?』
『うん。鵜堂さんはまず私たちに飛び掛かって刀を振り下ろしてくるはずだから其処はカナちゃんが盾で防ぐ。次に美琴ちゃんがあの砂鉄剣で攻撃するけど、美琴ちゃん、あの剣を大きく…それも相手の視界を妨げるくらいに大きく、広げることはできる?』
『そりゃあ、それ位ワケないけど…あっ!?』
『なるほど!』
千鶴の言葉に勘付いた美琴とカナは即席だが見事に刃衛を出し抜いた作戦を思いつき、今に至る
「それにしても千鶴さんの作戦のおかげでアイツを倒すことが出来ました」
「すごいですよ私達じゃこんな作戦すぐに思いつかなかったし…」
「そんな大した事じゃないよ。ただコレでも私は戦闘には参加できなかったけど池田屋を始めに油小路、鳥羽伏見、甲州勝沼、会津、仙台、函館と土方さんと一緒に戦場を駆け抜けたんだから!」
「そ、そうですか……」
「千鶴さんも、結構ハードな人生を歩んでますよね……」
美琴もカナも千鶴本人から“新選組と共に行動していた”と聞いていたがその戦場の数を聞かされると彼女なりにかなりの数の修羅場を掻い潜ってきた人物なんだなと改めて思い知らされたのだった。
そんな彼女たちの眼差しに恥かしく感じたのか千鶴は頬を赤く染めながらも土方に連絡を入れようとした
「と、とにかく!これで鵜堂さんは戦闘が出来ないから今のうちに土方さんに連絡を…」
「うふふ。いいねぇ…この痛み、この感触…」
「「「!!!!??」」」
だがここでありえないことが起きた。カナの攻撃で両腕を攻撃され、戦闘不可能になったはずの刃衛が立ち上がったのだ
「こんな痛みは実に久しぶりだぁ…」
「鵜堂さん!?」
「そんな!確かにカナの攻撃はあたったはず!?」
「なんで!?」
確かにカナの攻撃で刃衛の両腕の骨は砕け、その激痛で動けないはずだった。その証拠に彼の両腕は肘部分が折れているためか、ブランと垂れている。そのことにやっと気づいた刃衛は
「ん?」
右腕が思うように動かないことにやっと気づき、次に左腕を見た
「んん
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