第3部 始祖の祈祷書
最終章 虚無
[10/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
組んだ。
「まさか……ウルキオラさんが…?」
ウルキオラは虚閃を用いて、十二の艦すべてを撃沈に追い込んだ。
ウルキオラは再びゼロ戦をレキシントン号がいる方角へと向けた。
次の瞬間、探査回路が敵を捉えた。
「相棒!上だ!」
はっとして上を見上げると、一騎の竜騎士が、烈風のように向かってくる。
ワルドであった。
ワルドは風竜の上で、にやっと笑った。
彼はこの時を、雲に隠れ、待っていたのだ。
次々に味方の竜騎士を倒し、レキシントン号に打撃を与え、十二もの艦隊を叩き落とした、謎の竜騎兵。
しかし、十二の艦隊を叩き落としたとき、ワルドは気が付いた。
この竜もどきに乗っているものの存在を。
失った左腕がうずく。
風竜のブレスは役に立たぬが、自分には強力な呪文がある。
左の義手で手綱を握り、ワルドは呪文を詠唱した。
『エア・スピアー』。
固めた空気の槍で串刺しにしてくれる。
後ろにぴたりと風竜は張り付いて、離れない。
スロットル最小。
フルフラップ。
ゼロ戦は後ろから何かに掴まれたように減速した。
操縦桿を左に倒す。
同時にフットバーを蹴りこんだ。
鮮やかに天地が回転した。
呪文を完成させたワルドの視界から、いきなりゼロ戦が消えた。
辺りをきょろきょろと見回す。
どこにもいない。
後ろから殺気を感じ、ワルドは振り返る。
ゼロ戦は滑らかに、瓶の内側をなぞるような軌道を描いて、ワルドの風竜の背後に躍り出た。
機首に光が走る。
機銃弾が火竜に比べて鱗の薄い風竜の体を引き裂いた。
ワルドは肩に、背中に弾を食らい、苦痛に顔を歪めた。
風竜が悲鳴を上げた。
ゆっくりと、滑走するような形で、ワルドを乗せた風竜は撃墜していった。
ウルキオラは再びゼロ戦を上昇させた。
あんな機動を行ったので、ルイズの状態が気になり、後ろを振り向いた。
驚く。
ルイズの目に生気がない。
「相棒!屋根を開けろ!」
デルフの叫びですぐさま風防を開ける。
風がコクピットに流れ込んでくる。
ルイズが立ち上がる。
「ルイズ?」
ウルキオラはそんなルイズを怪訝な表情で見つめた。
ルイズが杖を構える。
それを見て、ウルキオラは気が付いた。
「ようやくか……」
ウルキオラはルイズが『虚無』に覚醒したの読み取った。
「相棒!気づいてたのか!だったら話は早い!こいつをあの船の真上に!」
ウルキオラは、いまだに炎が立ち込めるレキシントン号の真上でゼロ戦を旋回させた。
ル
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ