第3部 始祖の祈祷書
最終章 虚無
[9/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
す!緑色の翼を持った竜が、アルビオン軍全竜騎士隊、総数二十騎を撃墜いたしました!」
「なんだと!アルビオンの竜騎士隊をか!?」
マザリーニは驚いた。
アンリエッタも目を見開いている。
「はっ!その後、アルビオン艦隊『レキシントン』号の前甲板に爆弾らしきものを投下!レキシントン号の前甲板大破!現在、レキシントン号と緑色の竜が交戦中とのことです!」
マザリーニは上空を見上げる。
またも、爆発音が聞こえた。
今度はレキシントン号の後甲板で爆発が起こる。
前方のアルビオン軍から焦りが見える。
空からの支援がなくなったからである。
マザリーニはこの機を幸と捉えた。
「諸君!見よ!敵の艦隊は攻撃を受けている!伝説のフェニックスによって!」
「フェニックス?不死鳥だって?」
動揺が走る。
「さよう!レキシントン号の姿を見よ!伝説のフェニックスによって、レキシントン号は危機に陥っている!攻撃の機会は今しかありませんぞ!各々方!前へ!」
するとあちこちから歓声が上がり、前方にいるアルビオン軍に向かって攻撃を図った。
ウルキオラは舌打ちをした。
わかっていたことだが、60キロ爆弾を二発叩き込んだだけでは、巨艦『レキシントン』号は沈まない。
ウルキオラは艦隊の右舷側がピカッと光ったことに気が付いた。
慌てて風防を閉める。
自分は問題ないが、後ろにいるルイズに当たったらただでは済まない。
次の瞬間、ゼロ戦のいたるところに何かが当たった。
無数の小さな鉛の玉である。
しかし、ウルキオラの霊圧の膜でおおわれたゼロ戦は全くの無傷であった。
ウルキオラは前方を見た。
レキシントン号の後ろに、十二もの戦艦がいるのが目に入った。
レキシントン号は落とせなかったとはいえ、しばらくは消火活動に専念せざるおえないだろう。
ゼロ戦はレキシントン号から離れ、十二の戦艦へと矛先を向けた。
シエスタは森の奥で身を潜めていた。
しかし、突然、上空で二度の爆発があったので恐る恐る森から顔を出した。
驚く。
さんざんぱらタルブの村を痛めつけた船が前と後ろから炎と煙を上げていた。
ボケッとそれを見つめていると、空が緑色に染まった。
焦点を合わせる。
すると、レキシントン号の後方、十二からなる艦隊の一つが緑色の閃光に飲み込まれ、爆発する。
見覚えがあった。
宝探しの時、あの人が放っていたものと酷似していた。
またもや空が緑色に染まる。
艦隊が爆発する。
繰り返される。
少し経つと、十二のすべての船が爆発し、地面に落下した。
シエスタは胸の前で手のひらを
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ